【美輪明宏】節分と季節の行事がもたらす良い効果について、バレンタインデーで思い出す戦時中の出来事
さてさて、明日は節分でございますね。私は豆まきは、よそのお寺さんで、豆をまいたりなんか、それをお手伝いしたりもしますんですけど。
「福は内 鬼は外」っていうのは、悪妻とか悪夫はでていかなきゃいけなくなっちゃうんですね。それから悪ガキ。これも出て行かなきゃなっちゃいますね。
ある所では「鬼は外」を言わないんですよ。「福は内 福は内 福は内…」ばっかりお上人がおっしゃっていますよ。
とにかく最近は恵方巻ブームって言うのがありまして、私はむかーし、いつでしたかね?随分前ですね。いただいたことありますけどね。私はどっち向いて食べたか覚えてませんね。
とにかく日本人は正月とか豆まきとか、それからお雛祭りとか。四月はお花見、五月は端午の節句。六月は衣替え。七月は七夕まつり。八月はお盆の盆祭と。ひと月に一遍、非日常の生活に入って、ヴァーチャルな世界で、自分を普段の現実から解き放つっていう。そういう知恵を持ってたんですよね。
ですからそれに参加しない方々とか、参加できない方々って言うのは、現実の延長でずっと一年中過ごすからノイローゼになったり、ストレスになったりするんですね。
ぜひみなさん。よろしければご参加くださいませ。
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2014年2月2日放送分より
バレンタインデーで思い出す戦時中の出来事
2月14日はバレンタインデーでございますね。チョコレートを好きな人に送るという、そういうイベントでございます。
私は愛する者に何かをあげたいっていうのはけっこうなことだと思いますよ。でも、そこに下心があったり義理チョコって言うのはちょっとねぇ。もらった方は嬉しいんでしょうか?
戦争中はチョコレートどころか、甘いものが一切ありませんし、私の遠い親戚で食料品店やってた方は、あそこにキャラメルがあるらしいって言う風説がとんだら、そこにだーっと行列が出来まして、そこの番頭さんが「ここにキャラメルなんてありません!」って叫んだら「隠してるんだろ!」なんて言われて、暴動寸前でしたよ。本当に無いんですけどどね。
ところが海軍とか陸軍とか、そういった所にはいっぱいあったんですね。
私こういったこと言って良いのか悪いのか分かりませんけど、私は海軍航空隊へ慰問に行ったんですよ。そしたらそういう美味しいお菓子をいっぱい貰ったんですね。どうしていいのか分かりませんでした。一人で食べては申し訳ないみたいでね。
だから持って帰って兄と近所の子たちと恐る恐る食べた記憶がございますね。それに比べて今はチョコレートだらけなんて、本当におとぎ話のようでございますね。
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2014年2月9日放送分より