【美輪明宏】開戦前に似てきた最近の空気について語る
さあてみなさん今週12月8日が何の日かご存知でしょうか。そう、太平洋戦争勃発の日、開戦の日なんでございますよ。大変でしたね。あれは1941年、昭和16年12月8日真珠湾攻撃が行われまして、日本軍が先走ってアメリカのハワイの真珠湾を攻撃したんです。
これはね山本五十六ていう人がやって、海軍では偉い方の人だったんです。だけどおっしゃってたことはまったく逆のことで、この戦争は2年半から3年もてばいい方だろうって。あとは旗色が悪い、勝てるわけない、みたいなことをおっしゃってたそうですよ。
そのもっと前に大正10年に暗殺された原敬という岩手県出身の総理大臣がいらして、この
方は日本は戦争やっちゃいかん国、戦争できない国だって言ってたんです。なぜならば
鉄もニッケルも何の資源もないと。戦争しても爆弾が尽きるし、武器も尽きるし、石油が無くてどやって軍艦が動かす、石油がなくてどうやって飛行機を飛ばす。もうこれは無理だから日本は物理的に戦争はできない国だと。じゃあどうすればいいか?
人的資源。人の文化ですよね。それは世界に冠たる素晴らしい人材がいる。その人的資源をもって外国と伍していかなければいけないと。実にその通りですよ。それなのに、またまた先人の過ちを繰り返すそうとしている。
最近はアメリカのセールスマンが来て「軍艦だ。800億だ。700億だ。あれを買えこれを買え」って言ってくる。それに日本の政治家は「はい、買います、買います」って答える。国民の税金を何だと思ってるんでしょうね?ガラクタにすぎないような戦艦だとか飛行機だとか、もうおべっか使うのもいい加減にしろって言うんですよ。情けない本当に。とにかくセールスマンの勝ちでしたね。
今の空気と開戦前の昭和初期とだんだん似てきていますね。そこいらへんを国民が気づかなきゃ駄目です。気づいたら一党独裁ってことはないでしょうけれど、これが世の習いなんでしょう。破滅の道をボツボツと歩き始まったということなんでしょうかね。
さて気分を変えまして、愚痴っぽくなって申し訳ありませんでした。
今日はね戦前の流行歌。楽しくてロマンティックで、ユーモアたっぷりなユーモアソングをおかけいたしますね。これはね戦争中は禁じられていて、こんなのレコードにかけたら警察に引っ張って行かれたんですよ。退廃的で、実にだらしがないって言うんで。軍事歌謡か軍歌以外歌ちゃならない時期だったんですよ。
その頃に真っ先にこの渡辺はま子さんがお歌いになった『とんがらがっちゃ駄目よ』って
これがタイトルなんですけど、これがね1936年のヒット曲なんです。私大好きでね
小さい頃によく歌ってましたメロディがほんとに素っ頓狂で楽しいメロディで、リズムも本当にそれにふさわしいリズムですね。
戦前の歌詞なんですけど素敵な歌詞ですよ。面白いんですよ。会社のOLとサラリーマンのの間柄の歌なんです。ちょっと聴いていただきましょうか。
楽しいですよでお届けしましょうね。渡辺はま子さんの歌で『とんがらがっちゃ駄目よ。
「美輪明宏 薔薇色の日曜日」2017.12.3 より)