【美輪明宏】方向性に悩む天才・森岡賢にアドバイスを送る
これはSOFT BALLETの森岡賢と美輪明宏の対談を書き起こした記事の第4回（最終回）です。第3回は次のリンクから読めます。
【美輪明宏】天から与えられた使命について森岡賢に語る - 美輪明宏ラジオの名言
森岡→森岡賢、美輪→美輪明宏の略です。
美輪 私はもったいないと思うんだけど、凄い感性と、坂本龍一どころじゃない素晴らしい才能を持っているのに、それが開発されないで原石のままのような気がするのね。
森岡 それについてはこのラジオで行った良いのかな（笑）
美輪 言っていいんですよ。
森岡 どうしてったら良いか、ここ2，3年ぐらい悩んでるんですよ。で、それが一番保てるのは自分一人でいるときだったり、自分の思い込みの世界で（曲を）作っているときなんですよ。
美輪 だから、私言ったじゃない？方法としてはこういう方法があるよって、ウチで。
森岡 あぁ、えぇ…。
美輪 ところがあなたはやりたくないんでしょ？
森岡 どういう…あ、努力をするということですか？
美輪 例えば作曲法だっていろんな作曲法があるわけじゃない。
森岡 えぇ。
美輪 例えばオーケストレーションにしてもなんにしても。行き詰った時はクラシックの基本に帰れば良いのよ。ジャズマンでちゃんとして人はみんなそうしてる。
森岡 はぁ。
美輪 オスカー・ピーターソンだってなんだってみんなクラシック出身でしょ？またも度に戻るのよね、行き詰まると。そうするとまた、見えてくるのよ。自分の行く方法が。
森岡 えぇ
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理性が大事
美輪 悩んでいるときにはメンタルになるのが一番怖いの。人生の岐路ってあるじゃない？行き詰った時とか落ち込んだときとか。二者択一で迷うとかどっちにしようかとか。人によって（人生の）大事件の内容はいろいろ違うだろうけど、その時に一番必要なのは、みんな酒飲んだり、悩んだりとか、わめいたりとか感情的になるじゃない？
森岡 うん
美輪 感情的になってお酒飲んでその時は忘れるわよ。翌日になったら自己嫌悪でまた倍になってるのよ。悩みは何にも解決してないの。悩んでるときとか、いざというときに一番必要なのは理性なの。だから感情は全部体の中から追い出しちゃうの。それで自分はマシンになっちゃうのよ。ロボットみたいに。クールで冷たくて何の感情も無いの。
森岡 うんうん
美輪 その方法だけを考えて。どうすれば良いのか、って。いま、方法が見つからなかったらこれは脇に置いといて、まだ時期が来てないから、時期が来た時に解決するだろうって、頭からどかしちゃうの。だから私は、自分が勝利者だとは言わないけど、こうやって40年くらいやってこれたってことは、いつも私には相談相手がいないでしょ？だから自分でそれを発明したのね。
森岡 えぇ。
美輪 一番困った時に、やっぱり昔は若い頃はノウハウが分からないから酒飲んだり泣いたり喚いたりしてたの。だけどそういう風なのが一体何になるかと言ったら何にもならないのよ。生み出すものは何もないの。エネルギーを損するだけ。
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森岡 えぇ
美輪 骨折り損のくたびれ儲けになる。じゃあその時に必要なものと言ったら何かというと、理性だけ。クールに計算するだけ。それで後で泣いたり喚いたりすれば良いの。だから森岡君なんてものすごい素晴らしい才能を持ってんだから、その理性のコントロールだけやっちゃえば鬼に金棒だと思うよ。なーんていっちゃって（笑）
森岡 がんばります。
美輪 がんばってください。あてにしてるんだから。
森岡 はい。
美輪 私、めったに言わないのよ。
森岡 はい…
美輪 私今まで多くの天才を見てきてるんだから。三島由紀夫も寺山修司も横尾忠則も。江戸川乱歩も川端康成も。いろんな天才たちと付き合ってきて、転載を見る目は肥えてんの。その私が言うんだから。
森岡 あっ、はい…
美輪 苦労してがんばってください。
森岡 がんばります。
美輪 ふふふ。
（対談終わり）
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