美輪明宏ラジオの名言

美輪明宏の発言まとめ

【美輪明宏】意気地と意固地の違いについて

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これは今の日本人に一番必要なもので…まぁ、日本人だけじゃなく世界中の人間に一番必要なもので、西洋の場合ですと騎士道精神と言いますかね。日本の場合ですと、武士道精神と言いまして、「武士は食わねど高楊枝」。自分は痩せても枯れても武士でござるって。武士は腹が減っても腹が減ったと申さぬものでござる。毅然としててみじめな姿は絶対に見せたくない。人には指をさされまい。これが意気地ですよね。

 

 

だから意地悪とか意固地とかいろいろあります。意固地って言うのは、意を固くするってことで、間違ってると分かっててもそれを通しちゃうっていう。意地になるとか、意固地だとか、これは悪い意味ですよね。

 

でも意気地って言うのは、気が入るだけで、良い「気」の気ですよね。悪い気の気じゃなくて。この気というのが曲者でありまして、気というものは目に見えないものだけど、日常的に使われて、日常的に意識してるくせに、なにか迷信であるとか、そんなものありはしないとか、否定する人が多いんですけどね。そういう人は意固地なんです。意地でものを言ってるということですね。意気地ではないですね。

 

意気地って言うのは「粋な人だね、あの人は」っていう、まぁ粋(すい)な人とも言いますけどね。例えば舞妓さんが真冬でも襟をカーッと抜いて、襟足から背中の方まで、襟を抜いて見せますでしょう?本当は寒くてしょうがないんですよ。でも背筋をピンと伸ばしてまっすぐに立てて、しゃんとしてるでしょう?あれが「粋だねぇ」って感じなんですよ。

 

「いなせ」って言うのもそうですね。よく下町の方で「べらんめぇ」って負け惜しみを行ったり、「江戸っ子はそんなこと言わねぇんだ」って負け惜しみなんだけど、これが「いなせ」で、あぁカッコイイっていうようなものなんですね。あの「ざわざわと見苦しい。静かにおしなね。床の桜が驚くじゃあないか」って粋でしょう?床の間に飾っている桜が揺れて驚くって言うんですよ。桜が散るからね。ざわざわと驚いて騒ぐなって言うようなものなんですね。

 

作家で言いますと明治時代の泉鏡花って言う素晴らしい作家がいましたけどね。この人は金沢の方の人なんですけど、なぜか江戸っ子の気風とかそういうものばっか書いてて。

【美輪明宏】金沢出身の文豪、泉鏡花と室生犀星の魅力 - 美輪明宏ラジオの名言

 

凛としてシャキッとしてるっていう、そういうものを学んで。温故知新ですね。つまり古きを学びて新しきを知るってことですよね。そういう新しき装えど心古き女っていう。心はその時代のしゃんとした武士道精神って言う淑女であるという、そういう気持ちを持ちながら、新しいものをどんどん開発していって前へ進んでいく。やっぱり、それが日本人の理想的な姿ですね。

 

TBSラジオ美輪明宏 薔薇色の日曜日」

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