【美輪明宏】韓国や中国に非難されても仕方ない日本人の歴史認識・歴史教育
今日は日本の歴史教育についてお話させていただきたいと思います。最近、政府が高校での日本史の必修化を検討しているそうでございます。
現在、日本史は選択科目で必修科目じゃないんですね。これに私は驚いたんです。私たちの時代は、全部必修科目に入っておりましたんで、近代の歴史から、古代史から、これは知ってて当たり前のことだったんですね。
いつごろから日本史が選択科目になって必修科目じゃなくなったのかと思って。これは私は愚かなことだと思ってびっくりしてるんですけどね。
私たちの子供の頃は、コレはなんて言うんでしょうか…。間違った歴史教育って言うんでしょうかね?紀元は2600年と言うふうに教わったんですね。2600年前に日本は始まったんだ、と。それは定かじゃないんですよね。
後で、終戦後になってから、「ここは墨で消してください。ここはのりで貼ってください」って言われて。えっ!昨日まで真実として教わってたことは何なの?じゃあ、先生たちは嘘を教えてたの?
それで私たちは世の中の真実を疑うようになりまして、世の中の常識とか、大人の言うことは信じまいと、真実は他にあるんじゃないか、と。真実と常識とは違うということを初めて教わったんです。自分で見て、触って、感じて、勉強して、それで納得したものでなければ信じるのは止めよう。でないと、学校が建前として教えている、政府が与えるものは嘘ばかりなんだ。そういうふうにわたくしたちの年代は思ったんですね。
私より5つ上だった野坂昭如さん。この方も同じことをおっしゃっていました。自分たちがシラケ時代の先駆けだってことをおっしゃってましたけど、私たちもそうでしたね。
最近の子たちが日本の歴史を知らないんです。アメリカと戦争したことも知らない子がいるんで、びっくりするんですよね。もっとひどいのは、原子爆弾を広島・長崎に落とされたってことを知らない子がいるんですよ。これはどういう教育を受けてるんだろうと思いますよ。
ですから韓国や中国の肩を持つわけじゃないけれど、韓国や中国が日本に対して、歴史認識不足だって言うことも無理ないと思いますね。
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2014年2月16日放送分より