【美輪明宏】好きな絵と絵の上達方法について語る
それではさっそく皆様から寄せられたお便りをご紹介させていただきます。
いつもブラボーなお話ありがとうございます。大田区のラジオネーム、ハナちゃんと申します。美輪さんにぜひ伺いたいのは絵のことです。美輪さんはよく子供のころから絵をお書きになっていたそうですね。上達法や、よくお書きになっていたジャンルなど伺えればと思います。
じゃあ、お答えさせていただきます。私は日本画なんですね。日本画でも美人画の方なんですよ。美人画でですと、日本画で有名なのは、明治、大正、昭和初期に活躍なさいました閨秀作家(女流作家)の上村松薗ですね。この方は本当に上品な雰囲気が漂う、そういう美人画をお描きになる。
いろんな方の絵を小さい頃からずっと見てまして、観音さんの絵も見てまして、本物か偽物か分かりませんけど、狩野派の人が書いた観音様の絵もとっても美しいものがありました。
そういうものを見てて、実家の斜め前に骨董品屋さんがありまして、そこに良く飾られているものを見たり、ウチがちっちゃい金融屋さんみたいな商売してまして、質草にいろんなお金持ちのおうちから、そういうものが出てくるんですね。それでウチの床の間に、質流れのそういう絵を飾っていて、ですから間近に見ることが出来ました。
なによりもデッサンですね。デッサン。美しい歌舞伎や能や能衣装、西陣織とか、昔からの歴史、天明の頃の上げ鬢。鬢はこういう形であるとか。そういうものを勉強なさると役に立つと思いますよ。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年11月9日放送分より