【美輪明宏】ピアノコンクールは調律師のためにある?
今日は、久しぶりに素敵なピアノ曲をお届けしたいと思っております。ピアノと申しますと、いろんな楽器の王様だとか、いろいろ言われています。けれども、バイオリニストの人たちは、ストラディバリウスなんて名器があるから、バイオリンこそ楽器の王様だって言ってますよ。これに対して。ピアニストの方は「いいえ、ピアノこそ王様だ」って言っていますけど。さぁて、どっちが王様なんでしょうかね?身分制度なんて楽器につけるのはどうかと思いますけどね。
それにしても、ピアノも様々で、それこそショパンが弾いていた頃のものとか、それ以前のバッハだとか。バッハは音楽の父と言われてますけど。あの人たちが教会で弾いてたいたのは、ハープシコード(チェンバロ)って言うんですか?ピアノの前身ですよね。カンキラコン、カンキラコンって、けたたましい音がするんですけどね。
でも、それはそれでバロック時代の空気を表現するには、ああいう音でもいいと思うんですけども、ただ曲がねぇ…。バッハの曲もいいとは思うんですけど、同じリズム同じフレーズの繰り返しで、初めの2,3分はいいんですけど、それ以上聴いてると飽きちゃうんですよね。だから、私はあそこらへんの時代の曲は苦手ですね。
それでピアノになってから、いろんなピアノが出来て、日本ではヤマハだとかが気を吐いてますけども。
ピアノのコンクールなんてのは、調律師の人たちのコンクールみたいなもんで、その弾き手によって合わせなくちゃいけないし、微妙な音の違いを聞き分けて、4分の1上げたり下げたりしなくちゃいけないんで、ものすごく高度な技術が要るんですね。
ピアノってひとくちに言ってもなかなか大変で、ただデザインは、やっぱりクラシックなデザインの方がわたくしは好きですね。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年6月放送分