【美輪明宏・吉井和哉対談③】煩悩とロックの関係について語る
※この記事は上の記事の続きです。
(吉井)僕は、この年になってもすぐ人を好きになってしまうんですね
(美輪)うん。芸術家ってみんなそうじゃないの
(吉井)良いんですかね、これで?
(美輪)いや、好きになっても良いけれどブレーキをどう引くか、引かないかよ
(吉井)ハハハ
(美輪)だから最近の方は、みんなブレーキが無い車なのよ、最初から
(吉井)ハハハ、僕若い時の方がブレーキうまく使えたと思うんですけどもね
(美輪)芸術家って言うのは、藤十郎じゃないけど、いろんな人を愛する、そういうキャパを持ってなきゃいけないんですよ。キャパシティをね
(吉井)うん
(美輪)ただ、それにのめり込んだり、振り回されたりっていうのは若いうちは良いけど、もう30過ぎたらばかばかしいから。またね、それだけの値打ちのある人ってそうそういるもんじゃないの
(吉井)そうですね
(吉井)今回アルバムが出るんですけど、自分の煩悩をテーマにしたアルバムなんですね
(美輪)108つ!
(吉井)ちょっと美輪さんに、ご伝授していただきたいなと思って。煩悩のかわし方を
(美輪)いや、だってアーティストで煩悩が無い人ってアーティストの資格ないもの
(吉井)はい。美輪さん煩悩は?
(美輪)わたくし?私は解脱しちゃったのかな?
(吉井)ハハハッ。
吉井和哉が考えるロック
(吉井)美輪さん、ロックお嫌いじゃないですか?
(美輪)私はロック全部が嫌いってわけじゃなくて
(吉井)あーはい
(美輪)ただ騒ぎ立てて、どうすればこれ以上騒がしくできるだろうかってやってるポリシーの無いロックは嫌いだけど。例えばあなたのところだってサウンドが綺麗でしょう?詞がロマンティックで深いでしょう?だから全部条件がそろっているロックだったら、わたくしは大好きなの。で、吉井さんが思うロックっていうのはどんなの?
(吉井)僕が思うロック?
(美輪)うん
(吉井)煩悩がビートに乗っていくのがロックだと思うんです
(美輪)うん。ロックって言うのは生き様よ
(吉井)うーん、そうですね
(美輪)存在そのものがロックって言うのがね。本当のロックだと思うし。そうお思いにならない?
(吉井)ハイ。生き様を大事にします
(美輪)フッフッフッフ。楽しみにしてる
(吉井)はい、ありがとうございます(終)
フジテレビ『僕らの音楽』2006年10月6日放送
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吉井和哉さんは、すぐ人を好きになってしまうとのことです。色欲は煩悩の代表ですね。この色欲、恋愛について美輪さんが語っている記事は以下の通りです。
一方美輪さんは、煩悩とは無縁のストイックな生活をしているみたいです。美輪さんのストイックな生活が知りたい方は次の記事から。