【美輪明宏・吉井和哉対談②】最近の映画のダメなところについて語る
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(ナレ)美輪さんは、波乱万丈の人生から生まれた哲学と、その独自の美意識で多くの共感を得ています。この後、美しいもの7へのこだわりを持つ美輪さんが考える、現代のテレビや映画事情へと話題は展開していきました。
(吉井)この間、新聞を何気に読んでいたら、美輪さんが最近のテレビのことをすごく怒ってらして。ドラマというか…
(美輪)スポニチでしょ?もう1年間わたくし、テレビドラマだけじゃなくて、もういろんなこと文句ばっか書いてるんですけど
(吉井)とにかく品がないと書かれていて、テレビカメラ寄りすぎだって
(美輪)あのね、カメラマンが、写真家もテレビカメラも、アップ病にかかっているの。ディレクターが馬鹿なんだけど、「寄れ!寄れ!寄れ!」って言うのよ。寄って、涙の塊を、眼から出てきて、そこをアップで撮るのよ。風情が無いでしょう?
(吉井)あー
(美輪)だから全体で、ここ(胸)から上だったら、頭も震えるし、髪の毛も震えるし、その泣いている姿の風情の全体をカメラで撮れるじゃない。だから黒澤明だとか成瀬己喜男だとか名優調の映画見てごらんって
(吉井)うーん
(美輪)どアップなんか無いよって。だから日本中アップ病なの。だからロクな映画ができてこないし
(吉井)今、日本の昔の、すごくセクシーだなぁという役者さんがいいっぱいいたなぁと感じるんですねぇ。例えば亡くなった勝新太郎さんとか。今あんなセクシーな感じの役者さんって、あまり目に入ってこないし…
(美輪)だってハンサムが嫌いなのよ。良い男が嫌いなの、みんな。業界の連中って言うのが。男の人って言うのは凄いんですよ。もう徹底的に意地悪するの。本当にそうよ。私もこの50,60年間芸能界にいて、昔はそうじゃなかったの。今は育てようとしないのよ。だから、結局韓国からペ・ヨンジュンだとか、イ・ビョンホンだとか借りてこなきゃいけないのよ。
(吉井)ふーん
(美輪)日本にもいっぱいいるのよ。あなたもそうだけど。だから私は、誤解されるけれども。良い男ずらーっと並べるとかね。お客様に対するサービスだもの、それは。
(吉井)うーん
(美輪)やっぱり、そこいらへんの人たちと違う人がいるから、お金払って見に行くわけじゃありませんか。
(吉井)はい
(美輪)そういった意味で、どんどんあなたみたいな素敵な人が出ていただきたいのだけれど。テレビ出演はお嫌い?
(吉井)いやっ、あのー…もう始めます、呼んでいただければ
(美輪)(吉井)ふっふっふっふ
フジテレビ『僕らの音楽』2006年10月6日放送
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