【美輪明宏】子どもの頃の特殊な習い事ついて語る
みなさまから寄せられたお便りからご紹介させていただきます。
もうすぐ春ですので、小学2年生の娘に、何か習い事でもさせようかと思っております。美輪さんもいろんな習い事されていたそうですね。子供の頃の習い事や活動の思い出など、伺えれば幸いです。
ということですけども、私はちょっと特殊でございますんで、他の方の参考にならないとは思いますけれども。
家は手広くいろんな商売をやってましてね。水商売が多かったんですけれども、お風呂屋さんをやってまして、お風呂屋さんの2階が料亭になってるんですね。そんなに大きな料亭じゃござませんでしたけどもね。
やっぱり芸者衆や何かが出入りしてましたんでね。ときどき、座敷を昼間開いているときに芸者衆に貸したりしてたんで、まぁそこで長唄や端唄とかのおさらいをしに来る人たちもおりましたしね。必然的に日本舞踊なんかを芸者衆がやってらっしゃるのをそばで見てました。
私は生意気な子供で、他の子どもと遊ぶきっかけが無くて、ほとんど仲居さん、女中さん、またはボーイさんとか、そういった人たちのなかで、大人のいろんな物語を聞かされるわけですよ。
いつも大人として扱われてましたね。生意気な子供だったんですね。ですからそのひとつひとつが私の習い事になっていたような気がしますね。
それで私も日本画を習うようになりましたでしょう?そして日本舞踊なんかも習ったりしてて、三味線もちょっといたずらで習ったりしてました。
習い事っていうのは何でもやっていくと、今それが全部役に立ってますからね。だからお嬢さんもいろんなことをおやりになれば、しまいに自分でそれを取捨選択できるようになるんじゃないでしょうか。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年3月16日放送分より