【美輪明宏】お気に入りの原節子出演映画について語る
原節子さんのお話をさせていただいてますけど、みなさん『東京物語』といった小津安二郎監督の作品を上げてらっしゃいますけどね。私は『安城家の舞踏会』っていう終戦後の名門貴族一家の没落を描く、『桜の園』みたいなものをヒントにした映画でしたね。ぜひDVDか何かでご覧くださいませ。
それから『お嬢さん乾杯』っていう映画。1949年公開の木下啓介監督の映画でございます。終戦後、事業で成功した若者と、落ちぶれた貴族令嬢とのラブコメディで、その映画の原節子さんの最後の方がとっても素敵でしたよ。「惚れております」っていうふうに、よいとこのお嬢さんが、一言せりふいうのが、とっても斬新で素敵でしたね。
『青い山脈』はもちろんのこと。今井正監督の名画ですね。この映画は、終戦後の田舎町を舞台にした高校生たちの青春ドラマでしたね。原節子さんは、そこの素敵な、優しいはんなりとした先生の役をやってらっしゃいましたね。こういう女の方がもっともっとたくさん出てくると、日本の映画は素敵になりますね。
でも最近は小雪さんとか。いろんなそれに近いお嬢さんたちが出ていましたね、日本もまんざら捨てたもんじゃないと思ってますけど。
ではここで、原節子さん主演映画『青い山脈』の主題歌をおかけしますね。歌は藤山一郎さんと奈良光枝さんでございます。作詞、西条八十『青い山脈』。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年2月7日
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