【美輪明宏】エキゾチックな横浜の魅力について語る
横浜はわたくし大好きで、街並みが神戸や長崎なんかとはまた違った古い昔からの港町で、何かこうエキゾチックで洗練されてますでしょう?
外人墓地なんかもそうですけども、なんかいろんなものがね、雑居してるんですよね。宮様のお屋敷もあって、今はどうなっていますかね?
その同じ町のところに、ひばりちゃんが、魚屋さんの娘さんで、それがだんだん有名になっていって、そこで横浜に御殿だっていう家を建てれるようになって、宮様の家の近所にあって。
そして港の方には東京にも無いような、なんていうんでしょう。居酒屋でもないしクラブでもないし、不思議な、飲み屋さんって言えば飲み屋さんなんですけど、大きな広いスペースでね。そこへ政財界の人から、宮様から、それから不良外国人から、兵隊から、船員から、夜の女たち、それから有閑マダムとかね。そういった人たちが雑多にごちゃごちゃごちゃごちゃして、ここらにお偉い方が座ってらっしゃると、その隣に恐ろしいような男娼が座ってたり、おもしろい時代でしたよ。
まさにこれが横浜だと思いましたね、エキゾチックでね。
それでちょっと高台に行きますと、古いレトロな建物が並んでますでしょう?だからちょっと、神戸や長崎とは色が違う。不思議な街で今でもわたくしは大好きですよ。
ですのでカート神奈川芸術劇場で年い1階か2回やりますけどね。その度に、本当にそういう思いを新たにいたしますね。
では、ここいらへんで、横浜にちなむ歌をお送りしたいと思います。これは服部良一さんの作詞作曲なんですけれど、わたくしの歌で聞いていただきたいと思います。『別れのブルース』
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2016年5月22日放送分より