【美輪明宏】思い出の曲『埴生の宿』について語る
ごきげんよう。美輪明宏がお送りいたします『薔薇色の日曜日』の時間でございます。(2016年4月17日放送)
今日はまぁ楽しい思い出なんですけどね。歌手デビュー前に、小学校中学校で歌っておりました思い出の曲を皆様にご紹介させていただきたいと思っております。
おかけいたしますのは、イングランド民謡です。えぇ、つまり英国に民謡でございまして、『埴生の宿』Home! Sweet Home! でございまして、歌手を日本語に直したものが明治時代からございまして、全国の学校で歌われるようになったんです。
わたくしもですから、小学校から中学校にかけてのころにレパートリーのひとつに入れておりました。
『埴生の宿』というのは、貧しい粗末な家のことで、それでもこの世の中で一番、落ち着ける安らげる場所だよっていう、そういう意味の歌詞が付いております。
これは口語体じゃなくて文語体なもんですから、今の若い方には分かりにくいかもしれませんが、でも意味としてはそういう意味のことを歌っているわけです。
私、中学一年の時に、学校の講堂で、てらすぎりょうへい先生って方の伴奏で、みんなの前で歌いなさいって言われて、何百人って、学生たちも上級生たちもいましたけど、その前で『埴生の宿』を歌いました。
♪埴生の宿も わが宿
♪玉のよそい うらやまじ
♪のどかなりや 春のそら
♪花はあるじ 鳥は友
お粗末様でございました。それで大ウケでございまして、一躍学校のスターになれたんでございますよ。まぁそんな思い出の歌でございまして、イギリス民謡『埴生の宿』を聞いていただきたいと思います。
お歌いになるのは、四家文子さんという、戦前から終戦後までに活躍なさったオペラ歌手というかクラシックの歌い手さんで、両国にいらっしゃる方とそっくりの体形で。
それが長崎に演奏旅行にいらしたときに、グランドピアノがございまして、縦型のピアノで、そしてピアニストが弾いて、『ハバネロ』ね。♪恋というものは~と歌って、それから曲が速くなるところがあるんですよね。それになりますと、ピアノの周りをぐるぐる、歌い踊りながら回るんですけど、体重がおありになるでしょう?木の床が揺れて、ピアノが揺れるんですよ。お客さんが大笑いしてまして、それで本人はなぜ笑われるのか心外だって感じでしたけどもね。おもしろかったですよ。
その四谷文子さんがお歌いになった『埴生の宿』を聞いていただきます。
※歌は四家さんではありません。
四家文子さんの歌で『埴生の宿』を聞いていただきました。懐かしいですね。わたくしの中学時代を思い出しますね。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年4月17日より
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