【美輪明宏】バラとエディット・ピアフについて語る
桜の季節が終わりましたね。全国で今度はバラのお祭りが開催されています。
ウチの庭は肥料もやらないし、水もやらないし、ほったらかしなのに、桜が咲く前に梅が咲いて、梅が終わったら桃が咲いて、で、桜が終わったハナミズキが満開で、そしてボケが咲いたり。
花盛り。次から次へとバトンタッチしてくれるんですよ。
バラは昔はあったんですけど、今なくなりまして、バラはうちの中で年中咲いてます。いろんな方にバラの花を頂くんですね。
バラって言うのはフランスでいろんな改良をされて。その改良させたのが、ジョセフィーヌっていうナポレオンと結婚して離婚した、あのジョセフィーヌっていう浮気な女性がいて、いろいろとバラが好きで改良させたっていう。
イギリスはバラが象徴みたいになっているけれども、バラについてはいろんな話があって面白いんですよ。ひとつちょっとお調べになってみたら、バラの伝説。
今日の音楽はバラにちなんだ曲でございます。『バラ色の人生』(ラヴィアンローズ)。
素敵ですね『バラ色の人生』なんてね。オリジナルの曲は、フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフが歌ってます。1946年の代表曲でございまして、終戦後すぐ出たんですね。
エディット・ピアフが華やかだった時代って言われてますけど、この曲によって華やかになったんですね。
もともとエディット・ピアフっていうのは、小さいころから、お父さんと一緒に街から街へ、辻から辻へと歌って歩いて、本当に小柄な人なんだけど、ものすごい張りのある大きな声で、マイクがいらないくらいだって言われてましたけど、なぜかって言うと、真冬にどこの家庭も窓閉め切っちゃうでしょ?閉め切っちゃっているのを開けさせるくらいに、窓のすぐそばにいてくれればいいけど、奥の部屋にいる人にも聞こえるようにっていうんで、声を張り上げて歌って、それがだんだんだんだん声量になっていったんですね。
そういう非常に苦労した人なんですけど、その人が詞を書いて、その詞は
あなたに抱かれて踊ってると世の中が全てバラ色に見えるのよ
あなたのための私の人生、私のためのあなたの人生
私が踊っているとき、あなたはいろいろ語ってくれるけど
いつも同じ言葉ばかり でも私はそれがうれしいの
なぜならあなただけの私だし、私だけのあなただから
っていう甘いどうってことない意味なんですけど、これがオードリー。ヘップバーンの映画『麗しのサブリナ』のなかでも、使われておりましたね。
皆さま、バラ色の人生でいらっしゃいますか?これを聞くとおまじないが聞くかもしれませんよ。ではおかけいたしましょう。エディット・ピアフの歌で『バラ色の人生』
Edith Piaf - " La Vie En Rose " ばら色の人生 (1945) - YouTube
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2016年5月8日より