【美輪明宏】戦争の悲惨さについて語る
今日は戦争についてお話させていただきますけど、私はもう『戦争と平和』という本も出しておりますし、わたくしの自叙伝の『紫の履歴書』に原爆のくだりから、戦争のいろいろの不合理、不条理な話とかね。もう腹が立つようなこととかね。軍国主義、そういったものについていろいろ話しておりますんで、詳しくはそちらのわたくしの本でお読みいただければと思っていますけどね。
まぁあの戦争についての話のときに、まず究極になにをするものなのが戦争なのか?これは殺人と破壊なんですよね。だったら大量殺人でいいではないかって。
で、第一次世界大戦っていうと、いかにも錦の御旗でいいような感じがしますけど、あれは大量殺人でしょ。何百万の人間を平気で殺すわけですからね。やっぱり大量殺人、第一次大量殺人、第二次大量殺人って言ったら犯罪に近いですからね。犯罪に近いんじゃない、犯罪ですから。制度化できませんわね。
メディアの嘘
それと同じで結局言葉のまやかしで、メディアが第二次大戦のときには全部煽り立てたんですよね。ラジオも新聞も雑誌もね。それで国民がその気になって自業自得になっちゃったんですね。
とにかく戦時中とか戦争に行く前は、贅沢は敵だとか隣組はとんとんとんからりんと隣組じゃないけど、奥さん連中も鉢巻姿でヒロイズムに酔っぱらって、それでとにかく非国民っていってやって。
縮れ毛の人なんかは髪の毛持って引きずり回されたり、パーマかけてるって誤解されて。でパーマネントはやめましょう、みるみるうちに禿げ頭なんてからかわれたりね。気の毒でしたね。
それで目が薄い茶色の方って天然でいらっしゃるでしょ。そういった人たちも敵国人ってみなされていじめられたりね。もう野蛮な、めちゃくちゃな時代でしたね。もう二度とああいう風にしちゃいけませんよね。
で、とにかく国民に責任があるということですよね。
(『美輪さん、日本で戦争が起こったらどうなるかについて語る』に続く)
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年8月14日より
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