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【美輪明宏】隠れキリシタンの映画『沈黙』の背景について語る

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さて、昨日から作家遠藤周作さん原作のハリウッド映画で『沈黙―サイレンス』が公開されました。友人として嬉しいです。年齢はあっち(遠藤周作)のほうがずっと上だったんですけどね。

 

 

遠藤周作さんは、私が出演していたライブハウスの銀パリというところへ良く見えて、悪ふざけばっかりしてる面白い方で、(小説が)書けなくなるとあちこちへいたずら電話をなさるんですよ。わたくしのところへも夜中に電話がかかってきて「俺だ、俺だよ」なんて言って。いろんな面白い話がございます。

 

『沈黙』という映画についてですが、これは長崎が舞台になっていらっしゃるでしょう。私が長崎市出身でございまして、『沈黙』の中で、「転びバテレン」って言うんでしょうか?キリスト教を裏切った神父の話ですけどね。

 踏み絵

あの「踏み絵」のことなんですよ。「踏み絵」って言いますのは、キリストやマリア様を彫刻した板、銅板の板ですけど、それを踏ませるんです。何事もなくスッと踏んでいったら、この人はキリスト教徒、キリシタンじゃないということになります。

 

豊臣秀吉の時代から、キリスト教はご禁制ということで、キリシタン狩りが始まったんですよね。

 

それを踏まないでそのまました場合、これは殉教者ということで殺されて、これが浦上のNHKのすぐそばですけど、殉教地があってそこに二十六聖人って言って祀られてますけど、近所だったんですよ。それもご縁ですけど。あそこらへん一帯はキリスト教の人たちが住んでる街だったんですね。

 

五島列島のほうや何かは、隠れキリシタンの流れの方たちが住んでいらっしゃいますけど、きれいないいとことなんですよね、場所も食べ物もおいしいですしね。

 

『沈黙』では、ポルトガルの宣教師の揺れ動く苦悩ですね。それに関して、私は依然話したと思いますけど、遠藤周作さんが「君の前世は天草四郎だっていうけど、俺の前世はなんだ?」そしたら「豆だぬきでしょ?」って言ったら「なんで俺が豆だぬきで、おまえが甘草四郎なんだ!ちゃんとまともに見ろ!」なんて言われて。

 

その時私が、「ベトナムあたりに(逃亡した)転びバテレンの宣教師だった気がするわよ。キリスト教を裏切ったのよねぇ」って言ったらスーッと真顔になったんですよ。それから。お会いになってから初めて真面目にお話しなさったのよ。

 

それは何でこうこうっていろいろ質問を受けて、私がそれを話して、その後でこの『沈黙』をお書きになって、それがネタ元になったような気がしまして。それ以前から構想はあったらしいんですけどね。

 

それが作品になって、ハリウッドで映画化されて、いの一番に見に行こうと思ってますけどね。供養にもなりますし。思い出がたくさんございますんですよ。

 

TBSラジオ美輪明宏 薔薇色の日曜日」2017年1月22日より

 

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