【美輪明宏】寺山修司の芝居『毛皮のマリー』について語る
さて、以前からお伝えしてまいりましたけど、わたくしは舞台『毛皮のマリー』で全国を回っております。これはね、寺山修司さん、大天才の詩人がわたくしのために書き下ろしてくれて、私にあてたお芝居で、これはだけど寺山はつさんというお母さんと自分との親子の愛憎の問題を芝居にしたものなんですね。
こういう芝居って言うのは見たことが無い。この間ジャニーズの人たちが来てくださいまして、彼らも芝居ずーっとやってるんですけどね。みんなびっくりしてました。
つまり舞台の美術、それから音楽、照明、衣装、そして台本の中のせりふの美しさ。だから、ひとつのアートですねって。わたくしはそれは言い続けてたんですけどね。今回は特にそう感じたっておっしゃるんですよね。
まぁ役者さんもね、ワハハ本舗の梅垣さんが出てたり、若松さんは昔から出てたんですけど、それから少年の役は、オーディションで(役を)得た勸修寺くんっていう、これがとても天才的にうまいんですよね。そしてわたくしの相手役をやっている木村彰吾くん。これがまた評判が良くてね。すごい存在感でワイルドで良いってことで。
みなさん、若い人たちが丸裸に近い格好でラインダンスだとかするんですけどね。そういう卑猥と言われる不健全と言われるスレスレのところをそうさせないっていう、寺山の持つ芸術性。それからサルバドール・ダリとかジャン・コクトーとかフランツ・カフカの世界と同じだって木村彰吾くんが言ってましたけど、まさにその通りで他の方も同じことをおっしゃってましたよ。
ぜひこれは、ご覧にならなかったら一生の損ですね。関西ジャニーズの連中もびっくりしてましたよ。「こんな世界があるんですか」って。若い人は特にそう思うみたいですね。
では、その毛皮のマリーの詳しい情報は、パルコ劇場の公式サイトをご覧くださいませ。
(既に公演は終了しております)
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2016年5月22日より