【美輪明宏】2014年流行った『アナ雪』を切り捨て、『妖怪ウォッチ』を褒める
今日は今年(2014年当時)のヒット商品についてお話させていただきたいと思います。まだ12月ではなく、11月で、気が早いとお思いでしょうけど。
今月、雑誌『日経トレンディ』が今年のヒット商品を発表いたしました。3位までをご紹介いたします。
1位 『アナと雪の女王』
1位が『アナと雪の女王』(Let it go)。主題歌の『ありのままで』が大ヒットいたしましたね。わたくしは、「ありのままで」っていう歌詞が好きじゃないんですよね。テレビなんかでも、みなさんが「ありのままで ありのままで」って歌ってるし、そこら辺を歩いてても「ありのままで ありのままで」って町中が歌ってるんですよね。わたくし、みんな、なんて図々しいんだろうと思うんです。
だって、大根だって畑から抜いて、泥だらけのまま食ってくれって言われて突き出されたって、食べられたもんじゃないですよ。女の人だって、知識教養が無くて、行儀作法、言葉遣いも悪い、マナーも知らないっていうんだったら、人間ていうケダモノの一種ですよね。ケダモノのメスが、大股開いて髪を振り乱してる。それが「ありのままでー」でしょう?そんな姿がいいのでしょうか。精神的にもそれと同じことが言えると思うんですね。
「ありのままの私を受け入れて!」って言われたら「なんぼんぼもんじゃい!」って言いたくなりますよね。私は嫌い。
2位 『妖怪ウォッチ』
さて2位でございます。『妖怪ウォッチ』お子さんに人気のアニメ・ゲーム・マンガ。カワイイ妖怪がたくさん登場します。私も大好きなんですよ。
妖怪というかお化けをユーモラスに味付けするんですよ。水木しげるさんの妖怪だってそうでしょう?その流れを汲んでて、生活にロマンを味付けするんで、私はああいうものが流行るのは結構だと思っています。
第3位 USJのハリーポッターエリア
第3位ユニバーサルスタジオ・ジャパンのハリーポッターエリア。『ハリーポッター』はわたくしあまり好きじゃないんですよね。最後に勝つ手があるんだったら、初めから出せばよいわけでしょう?それを「あぁーダメだぁー」とか言って、いつも負けそうになるのね。だらしがないでしょう?
だからわたくし、最初の『ジェームズ・ボンド』は常に優位にあって、弱いところを見せないんですよ。ああいうのが好きなんだけど、追い詰められて、「いよいよダメだ」っていうのは好きじゃないんですね。『ハリー・ポッター』もそうでしょう?だから『ハリー・ポッター』は初めはよく見てたんですけど、癪に障るから見なくなっちゃったんですよ。でもユニバーサルスタジオ・ジャパンの画面が動いたり、ニッコリ挨拶したりっていうアトラクションはユーモアがあっていいですけどね。
さてどれもこれも子ども向けの作品で、大人向けの文化のヒット商品って言うのが、びっくりするほどないんですよね。ですからやはり、流行って言うのは、その国のその年のいろんな意味でのレベルを表しますでしょう。終戦後、マッカーサー元帥が日本を占領したときに、「日本人の精神年齢は12歳だ」って言ったけども、あれから全然進歩してないんだなぁと思いますね。悔しい限りでございます。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年11月16日放送分