【美輪明宏】50年前のビートルズブームについて語る
聞くところによりますと、何でも今週の6月29日でビートルズの来日からちょうど50年になるそうですね。早いものです。ついこの間のような気がしたんですけどね。
もうそこいらじゅうが大騒ぎになりましたけどね。わたくしどうして大騒ぎになるのか、分からなかったんですね。良い曲は良い曲ですよね・『イエロー・サブマリン』とか、いろんなものやなにか、私嫌いじゃないんですよ。
だけどロックは、ハードロックやヘビメタなんて言うのは騒がしくてあまり好きじゃないんですけど。でも、これ(ビートルズ)はロックと言えないんじゃないかって。ふつうの歌だっていう風にわたくし思ってますね。
そして彼らの服装って言うのも、バロック時代のものに彼らは、マッシュルームカットのような宮廷音楽の楽師たちがああいうロング・ヘアーしてたんですね。あのちょうどマッシュルームみたいなね。
へたな人がやるとお利口に見えない。落第した河童みたいな、そういう感じに見えるんですけど、でもあの人たちは収まってましたね。
『イエスタデイ』にしても、ロックと言えないんじゃないかと行くくらい、穏やかでハーモニーも綺麗ですし、歌詞もまぁまぁだし。わたくしはとても好意を持っていたんですね。
でも、そんなに世界中が大騒ぎするって言うのは分からなかったんですよ。だってあのグループの中でイケメンの人は1人もいないんですものね。だから、大騒ぎする人や気絶する人なんかもいたようですけどね、迎えに行った人たちで。そこんところも、私不思議でしたね。
ちょうど50年前と言いますと1966年の思い出って言いますと、わたくしの『ヨイトマケの唄』が大ヒットしたときなんですよね。これは作ったのはずっと昔で、シンガーソングライターの元祖をやり出した時に作ってたんですけども、日の目を見たのがちょうどその年(1966年)なんですね。
クローズアップされて、おかげさまで、わたくしも再浮上したわけですけどもね。
まぁそういうことで世の中が大きく音楽的にも世相的にも揺れ動いた時代。そんな感じがいたしますねえ
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2016年6月26日放送分より
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