【美輪明宏】英語をマスターした方法を語る
それではさっそく皆様から寄せられましたお便りをご紹介させていただきたいと思います。
三輪さんごきげんよう。以前美輪さんが番組してくれた、海外でのコンサートのお話を興味深く伺いました。もしかして美輪さんは英語がペラペラなんでしょうか?現地でのお話や英語のマスター法などお聞かせくださいませ。
私は映画が喋れないんですよ。一時は日常会話をなんとか1人でして、海外旅行ができたぐらいだったんですけど。本当に言葉は忘れるんですよね。
日本語でもちょっと使わないと、「えーなんだっけ?」ってなって、自分で表現した語彙、言葉が使わないと出てこなくなるでしょう?フランス語も英語もみんなそうですね。
私は英語をマスターしたっていうよりも、終戦後、教会なんかで、ボストン出身のアメリカ人の、もうひとりそちらの方の先生とがいて教えても立ったんですね。そういう方が「A,B,C…」っていうように、ひとつひつの発音を、うまくいかないと口をつねられるぐらいに厳しく、発音だけはちゃんと習わせられたんですね。
その後で東京に行きましてから、進駐軍のキャンプ回りの、ジャズを歌う仕事をやっているときに、アメリカ人のファンの方がいっぱいできたんですよ。その中になんと、ロンドン訛りのEnglishだと言ってましたけど、イングランド系の方がいらっしゃったんですね。アメリカではBeautifulのTをLのように発音するんですよね。それが英国人にとっては、たまらなく嫌らしいんですよね。何度も直されちゃうんですよね。「ビューィフォウ」っていうと「ビューティフォウ」って言いなさいってね。
そういうのがあって、ニューヨークとか行くと、あなたの英語はきれいだとか、褒められていい気になってたんですけど。
とにかくもう何十年も外国に行きませんでしょう。そうすると英語も何も、ちょっと覚えてたフランス語もみんな忘れていきますね。それで最近はもう日本語も忘れている状態ですから、どうしましょうかね。
『ロンドン・マガジン』というところの、インタビューを受けました時に、あなたはとてもきれいな英語を話すけれども、サッチャー首相ぐらいの英語で、クイーンズイングリッシュではない。王族が喋る英語ではないって、こういわれましたね。
サッチャーさんぐらいの英語の発音だっていわれたんですね。向こう(イギリス)は、発音によってクラス(地位)が決まって、扱いが違ってくるんですよ。嫌なところですよねぇ。言葉って言うのは怖いですよ。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年11月2日より
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