美輪明宏ラジオの名言

美輪明宏の発言まとめ

【美輪明宏】「最近の若い者は…」と語る政治家について

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今日のお話は「日本人の道徳意識」について話してくれ、ということでございますけれど。私は道徳観念がございませんので、こういうお話をするにはふさわしくないということで、不適格でございます。

 

でも最近、文部科学省で道徳を正式な授業にしようという動きがあるそうでございます。だけど、これは日本ばかりじゃなくて、中国でもそれが起きてるんですね。

 

中国は昔、儒教とか荘子とか孟子とか、まぁいろんな偉い方がいらして、道を説いてて、それがずーっと何千年も続いてきたんですけど、文化大革命でもう儒教とかが滅茶苦茶になりましたでしょう?その結果どうなったかって言ったら、エゴイストで、我先にということで、金金金金…、金の亡者。

 

そういうふうになってきてたのが、最近どうも中国はおかしいって、中国人自身が言い出して、孔子の教えをもう一度見直しましょうとか、孔子廟をお参りする人が増えたり、そしてそういう(儒教を学ぶ)塾みたいなのが出来たり。

 

そうして自分たちがこんなにエゴイストの、利己主義の、とんでもない国民になってしまったのは、そういうものを一切廃してしまったからということで、民衆の中からそういう運動が始まってきて、それを私あちこちで、いくつかのニュースで見ましたけど、面白いなぁってみてたんですね。

 

そしたら日本の文部科学省で、道徳を正式な授業科目にしようって提案し始めた。これは私が昔から言ってることで、小学校からでは遅いんで、保育園の頃からそれを教えましょうということなんですよね。恥と誇り。こういうものを教えていくんですね。

 

でも困ったことに政治家のなかに道徳をご存じない方がゴマンといらっしゃるでしょう?これが道徳をうんぬんするって言うのは、片腹痛いって感じですよね。

 最近の若者は…

そしてそういう年寄りたちは「昔はよかった。最近の若者は何とか何とか…」って文句ばかり言いますけども、これは五千年も昔のピラミッドのいたずら書きにも「最近の若い連中はなってない」って書いてあったんですって!

 

そしてわたくしが見たのは昔ですけど、明治時代の新聞ですよ。「最近の婦女子の言葉はなっちゃいない!」って「淫らな娼婦が使うような言葉を使いやがって!」って書いてあるんですけどね。

 

それまでの江戸やなんかの下町のおかみさんたちは「そうなんじゃないかい?お前さん」みたいなふうに、男と女は同じ言葉を使ってて、それで武家の妻女も「…であろうがきりきり申せ」みたいに男と同じ言葉で、「…ござる」を使ってないというだけで、女の人も男の人も言葉は同じだったんですね。

 

それが明治、大正と進んでいくうちに、今度は女だけの言葉で男をトロトロにしましょうということで、「…ですのよ」「アラ、イヤですわ」とかね。そういう色っぽい言葉を使いだしたんです。それを新聞で非難されたんですね。

 

それが美しい女らしい言葉として、昭和のはじめあたりに定着してたんですけどね。最近はもうほとんど、男以上の乱暴な言葉。

 

そういう道徳云々というのであれば、まず言葉からですよね。親子で山賊の会話みたいな言葉遣いしてますでしょう?

 

ですからマナーというのは、戦前は封建主義でしたから、とにかく一つ年上だったり、一つ目上だったりしますと、やりたい放題。もう滅茶苦茶でしたよ。

 

それは中には立派な人も確かにいましたよ。でも明治の元勲って言われてた人たち。伊藤博文をはじめとして、お妾さんをなんにも持つやら、女癖は悪いやら。

 

まぁとにかくいろんな収賄なんかもやってたわけです。賄賂も渡さなければ仕事もできなかったっていうのは、なにも今に始まったことじゃないんですよね。

 

でも、とにかく道筋の道徳を教えるということは、悪いことではございませんけどね。

 

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年2月2日

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