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【美輪明宏】金沢出身の文豪、泉鏡花と室生犀星の魅力

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今年は以前から北陸新幹線が開業するということが話題になっておりますね。東京から金沢までおよそ2時間半で行けるようになるんですね。早く行けるということは結構なことでございます。それだけいろんな意味で活性化しますからね。

 

私も金沢には何度か言ったことがあります。芝居は最近全然お呼びじゃないんですけど、コンサートで何度かよく、昔は頻繁に言っておりましたけど、最近はよく近所の富山だとかそういったところにはよく行くんですけど、金沢だけはお呼びがかからないんですね。どういうわけでしょうかね?

 

金沢は文豪の泉鏡花。私の大・大・大好きな小説家ですけどね。あとは室生犀星ですね。この方の誌は素晴らしい詩がたくさんありますよ。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とかいろんな良い詩がたくさんございます。こういう方の出身地で、ぜひ彼らの小説や詩を持って出かけてってもらいたい思いますね。

 泉鏡花作品の魅力

『外科室』とか『婦系図』とか『歌行灯』とかね『天守物語』とか、そういったものが泉鏡花の真骨頂でございまして、どこを骨子に見ればよいかと申しますと、泉鏡花はバリバリの江戸っ子ではないはずなのに、江戸っ子堅気みたいな、意気地とか粋とか、そういうものを大事にしてるんですね。

 

どんな悪人でもプライドがあって誇りがあって、意地があるんですよ。人としての誇りって言うんでしょうかね。そういうものが全編にみなぎっているんですね。お化けの癖に『天守物語』にはそういうものが出てきます。

 

婦系図』はお蔦と主税っていう二人の恋愛物語ですけど、この主税もお蔦という芸者の身でありながら、やっぱり意地とかプライドって言うものを持ってますね。『歌行灯』もそうなんですよ。

 

意気地とか意地とか誇りとか「武士は食わねど高楊枝」とかいう負け惜しみ的なものがあるんですけども、それは誇りとして人が一番持ってなきゃいけないものでしょう?それを泉鏡花の小説なんかでは、あっちにこっちに見ることができるんでね。大好きですね。

 

室生犀星のもの。この詩は本当に素敵な文芸作品。文芸とはこういうものであるべきだという、ちょうど日本画の大家の絵がありますでしょう?川合玉堂であるとか川端竜氏の絵であるとか、そういうものを感じられる誌なんですね。ぜひ若い方は読んでいただきたいと思いますね。

 

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2015年2月15日放送分より

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