【美輪明宏】選挙年齢の引き下げについて語る
さて、今日は選挙年齢の引き下げについてお話させていただきます。
選挙権年齢は現在の20歳以上から18歳以上へと引き下げになります。来年の夏の参院選から適用される見通しになっておりますけどね。そうなりますと、新たに240万人ぐらいが有権者になります。240万人って言うと、茨城県の人口ぐらいでしょうか。
今回70年ぶりの引き下げになるんですね。と申しますのは終戦後でございましたけども、戦争前まで、つまり1945年、昭和20年までは25歳以上の男性のみだったんですね。
そして男尊女卑の時代ですから、女などに選挙に参加させてたまるかってことで、女性には投票権が無かったんですよ。
これ(女性への選挙権付与)はアメリカのアドバイスもあったらしいですけど、そういった点で、アメリカはたまー、たまーーに良いことするんですね。
今回の投票年齢引き下げに思うことは、若者の投票率は低いですし、成人にだいたい興味を持たないんですね。まぁ学校でも政治を教えるべきですけど。18歳の若者に心がけてほしいことは、18歳という数に関係なく、昔は16歳というと元服と言いまして、これで大人になったぞ、というしきたりがあったんですね。江戸時代から明治まではね。
ですから本来ならば数えの16歳から大人なんですよ。そこから考えると、だんだん子どもっぽくなって、幼くなってきたんですね。もう考え方から何から。それをもう一度大人になっていただきたいと思いますね。
それでまた、大人たちに心がけてほしいのは。とにかく大人になりきれないで、子どもの頭のまま、子どもの心のまま、子どもの性格のまま。つまり生活様式も子どものままで、年齢だけを重ねて、ただ数字だけが30とか40になってる方。こういった人たちに、もう一度振り返って考えていただいて、果たして自分が選挙をして、政治や何かを運営するだけの大人になっているだろうか、と常に意識していただきたいと思いますね。もう国会の人たちには、何も言いたくありませんね。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2015年6月28日放送分