【美輪明宏】SMAP木村拓哉のプロ意識の高さが分かるエピソードを語る

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　宮崎駿監督のアニメ映画『ハウルの動く城』で、声優として、美輪さんは荒れ地の魔女の役、SMAPの木村拓哉さんはハウルの役を演じました。また『第63回 NHK紅白歌合戦』では、美輪さんは『ヨイトマケの唄』を歌いましたが、木村拓哉さんはその前振りを行いました。木村さんの語った前振りは次のようなものです。

今夜、美輪明宏さんが『ヨイトマケの唄』を歌います。戦前、戦中、戦後の激動の時代を貧しく、つらく、苦しくとも生きる、親子の絆を描いています。親が子を想い、子が親を想う無償の愛の歌をお送りします。

（美輪明宏木村拓哉からアナウンスで「ヨイトマケの唄」歌唱！暗転した会場に声が響く - News Lounge（ニュースラウンジ）より）

　浅からぬ関係の美輪さんと木村さん。ラジオで美輪さんが木村さんとの関係、そしてそのプロ意識の高さについて語りました。

木村拓哉のプロ意識の高さに驚いた美輪さん

『ハウルの動く城』で木村拓哉さんと映画の仕事を初めて。それで（木村）拓哉ちゃんにある時、「あなたトトロに似てるわねぇ」って言ったら、「えっ僕の顔ってトトロ顔ですか？」って。だってそうじゃない。

そしたら宮崎さんが「天下の二枚目の木村拓哉に向かってトトロ顔だって言ったのは美輪さんぐらいのもんですね」って笑ってらしたのね。

でも拓哉ちゃんって人柄が良いの。一生懸命でプロだなぁ、って思ったのは、紅白歌合戦の時に、ヨイトマケの歌を歌ったときに、前振でいろいろ歌の紹介をするのを、木村くんがやってくれることになってたのね。

そしたら台本が、青年の物語として前振りがあったんですよ。あれ（ヨイトマケの歌）は、お母さんの、母性愛の歌ですからねぇ。お母さんがどこにも書いてなかったんですよ、前振りの原稿に。

これは、っていうんでNHKの人に話して、私が1ページ原稿用紙丸々ぎっしり書いて。それね、前の日だったんですよ、本番の。

で、拓哉ちゃんにこれ（原稿）お願いしますって。それで本番の日に、拓哉ちゃんに（原稿を渡して）「悪いねぇ、ギリギリ本番になって、カンペ読んでくれていいから」って言ったら、「任しといてください」って言ったから「じゃあカンペ読むんだなぁ」と思って、ふっとこう見たら、全部暗記してる。それも、ただベラベラ暗記するだけじゃなくて、内容を把握して、自分の気持ちで、自分の細胞にして、その言葉を言ってくれたから、だから感動的だったわけですよ。

この人は、これは本当にプロだなぁと思ったのね。なかなかできませんよ。まぁ、それやこれやがありました。ここいらへんで、このお話は閉じさせていただきます。

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年10月23日放送分より