美輪明宏ラジオの名言

美輪明宏の発言まとめ

【美輪明宏】伊集院光に出発点を語る

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この記事はTBSラジオ伊集院光 日曜日の秘密基地「秘密基地VIPルーム」』で2005年3月20日に放送された伊集院と美輪明宏の対談の第1回の再編集版です。(伊集院)は伊集院光、(美輪)は美輪明宏のコメントを表します。

 

(伊集院)美輪明宏さん、よろしくお願いします

(美輪)お手柔らかに

(伊集院)いやいやいや、ドキドキしますね

 

(美輪) なんで?だってさんまちゃんの番組でお会いしたじゃない?

(伊集院)はい。覚えてます?

(美輪)覚えてますよ

(伊集院)あ、そうですか

(美輪)そう、わたしは頭の良い人だなぁって思ってたの

(伊集院)本当ですか

(美輪)うん。でもさ、おデブちゃんでも頭の悪いタレントさんって結構いるじゃない?

(伊集院)ククク

(美輪)でも、あなたと石塚さんはやっぱりただ物じゃないわね

(伊集院)松村くん抜かれてるよー、松村くん!でもね、聞いてたら美輪さんて、謎だらけって言うか…

(美輪)いいえ、謎なんて何にもありませんよ。だって私、自叙伝にも全部本当のこと書いてますから。全部は描けませんからね、だから書いてないこともたくさんあるけど

(伊集院)書けない部分ってのは、他の方に迷惑かかったりすることとかなんですか?

(美輪)いえいえ、そんなことはないの。紙数(ページ)が限られてるから

(伊集院)書ききれないってことで…

(美輪)そうそう

(伊集院)さっきもちょっと話してたんですけど、最近、中性的な人ってテレビにいっぱい出てるじゃないですか?

(美輪)ええ

(伊集院)でもあの人たちの一部は中性的だからって理由でテレビに出てるって人がやっぱり多いと思うんですよ

(美輪)ゲイバーのノリですよ

(伊集院)そういうのあるじゃないですか

(美輪)ゲイバーのノリね

(伊集院)だけど、それとも全然違うところに美輪さんはいて

(美輪)ふんふん

(伊集院)男の中からすると、例えば5000万分の1だとすれば例えば全部の中からきている感じっていう…

(美輪)出発点が違うんですよ

(伊集院)出発点って言うと?

(美輪)わたくしはほら小さいころから日本画、絵を描いてて、アーティストになろうと思ってて。それから途中で、(家の)隣が劇場で映画館でしょう?

(伊集院)はい

(美輪)前が楽器屋さんでレコード屋さんでしょう?その隣が美術骨董屋さん。そういう中で育ったから、否が応でも、こっち(アーティスト)の道に行くようになってたわけね

(伊集院)なるほど美しいってことのみっていう…

(美輪)いや、芸術的…

(伊集院)芸術的っていうことのみに行くから

(美輪)そうそうそう。最初に芸術ありきなのよ

(伊集院)はぁはぁはぁ

(美輪)つまり、だから小学校5年からクラシックといろんな音楽とピアノと声楽と始めて、そっちのほうで世に出ようとしてたわけで

(伊集院)うん

(美輪)こういう中性的なものを売りにしようっていうふうにしたのは、余儀なくして。銀座の銀パリっていうライブハウスの、あそこがインテリたちの巣であったんだけど

(伊集院)はい

(美輪)終戦後やっぱりシャンソンなんて聞く人はいないし、19歳の若さで運営を任されて…

(伊集院)えっ!?19歳で運営を?

(美輪)そうそう。それでなんとかしなきゃっていうんで私は数寄屋橋から八丁堀まで、サンドウィッチマンで歌って歩いて

(伊集院)はい

(美輪)そのときの格好が、フランスのジャン・ポール・サルトルって哲学者いたでしょう?あの人たちの写真が、進駐軍からもらった雑誌に出てたのよ。

(伊集院)はい

(美輪)みんなとんでもない格好してるの。ファッショナブルというか、不思議な格好してるのね

(伊集院)まぁ周りのセンスからすればとんでもないだし、ふつうに分析すればファッショナブルっていうか…

(美輪)ファッショナブルっていうか、アーティスティックっていうか。帽子から何から勲章をびっしりつけている人とかね。そういうファッションの人がいたりとか、髪の毛真っ黒で長くて、アダムス・ファミリーの女の人みたいな、ああいう格好してる

(伊集院)はい

(美輪)だからこれをお店(銀パリ)に移したらどうだろうって思ったのね。パリのサンジェルマン・デ・プレの雰囲気を。自分はどういう格好をしたらいいかしら?あなたこういう格好してね、(別の)あなたはこういう格好してねってってみんなに言って

(伊集院)うん

(美輪)私は図書館行って柳沢吉保が持ってた柳沢十六人衆っていう、日本中の美少年を狩り集めてチームを作って、ショーアップして、将軍から何からもてなしたって言う記録が残ってて

(伊集院)はぁ

(美輪)それはお小姓だから、女物の柄で男仕立てなのよ

(伊集院)ほぉ

戦時中に抑圧された美意識

(美輪)それは美しいじゃない?で、それは明治まであったわけだから、お小姓ってのは、日本の歴史で。まぁ、もっと意味はあるんだけど

(伊集院)はい

(美輪)戦争中に日本の美意識が、文化は軟弱で国策に反するということで、全部禁止になったのよ

(伊集院)はいはい、男は男らしくみたいな時代ですもんね

(美輪)軍服以外は着ちゃならない、頭は丸坊主。女はモンペで、ドブネズミ色以外着ちゃならないとか

(伊集院)ふんふん

 

(美輪)だけど戦争前まではアインシュタインとかエジソンとかね。それからジャン・コクトーだとか、チャップリンだとかみんな日本にあこがれて来て。ゴッホゴーギャンロートレックもモネもマネもみんな大巨匠たちが日本に来たくてしょうがなかったの。じゃあ何にあこがれたのかって言ったら、日本の文化だったってわけよ

(伊集院)はい

(美輪)世界中から尊敬されてたのよ。それを馬鹿どもの軍人たちが、たった5年間で、全部ご先祖様が作った財産を全部パージしちゃったわけ。

(伊集院)はいはい

(美輪)それでとにかく世界の劣等国になっちゃったわけ

(伊集院)はいはい

(美輪)それでアメリカの無差別攻撃のおかげで日本中、灰になっちゃった。それでまだ、軍国主義の、ぜいたくは敵だとか、キレイなものを着ちゃいけないとか、天然の赤毛の人がいたら髪の毛持って引きずり回された時代でしたからね

(伊集院)へぇー

(美輪)だって西洋音楽は全部禁止なのよ

(伊集院)僕らはそのことを伝え聞いたり、本で読んだりでしかわからないですけど、まぁそれはそれこそ美意識の強い人からしたら、よりつまらないというか、酷い世界…

(美輪)腹が立つわよ!腹が立つ!だってさ、軍歌以外歌っちゃいけなかったんだもの

(伊集院)ほぇー

(美輪)だって淡谷のり子さんなんか終戦後にもう20センチぐらい、始末書が溜まってたみたいよ

(伊集院)もう歌うってことだけで始末書なんだ!

(美輪)いやー歌うって、その…

(伊集院)海外の歌を、軍歌以外の歌を

(美輪)いえ、流行歌よ。日本の流行歌

(伊集院)ほう

(美輪)♪雨よ降れ降れ 悩みを流すまで~って雨降ってるだけの歌よ。それでも軟弱であるから禁止って。だからドイツもイタリアも同盟国だから良いはずなのよ。同盟国のは一緒に戦った仲だから

(伊集院)はい

(美輪)だから奴らは教養がないから、モーツァルトシューベルトもイタリアのオペラも区別がつかないわけ

(伊集院)はぁはぁ

(美輪)だから「毛唐の音楽なんか聞きやがって」って全部禁止。酷いでしょう?滅茶苦茶だった。だから女の子でも、セーラー服の下に毛糸のカラフルなものを、残り毛糸だからって、毛糸がないのよ。お母さんが編んで。それがチラッと見えたの。「この戦時下において何たる軟弱な格好しやがって」脱がせられて、上半身裸にさせられて。防火用水の中にその毛糸の下着を叩きこまれて、それから殴る蹴る。目は切れる、鼻から鼻血を出す。みるみる顔がお岩さんみたいになっちゃったの

(伊集院)へぇー

(美輪)それで許してください、許してくださいって。何も悪いことしてないのよ。ただそのカラフルな下着が、お母さんが編んでくれたのがチラッと見えただけ。それで結局1週間後に死んじゃったの、その子。

(伊集院)へぇ

(美輪)それが日本の軍人なのよ

 

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