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【美輪明宏】メディアが知らない本当のセレブについて語る

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今日は「セレブ」という言葉についてお話してくれ、ということなんです。ここ数年、何かというとセレブって言葉がひっきりなしに使われるようになりましたでしょう?

 

セレブって言うのは「セレブリティ(celebrity)」っていう英語の略で、日本人って言うのは何でも略すのが好きだから。「セレブリティ(celebrity)」っていうのをセレブ、セレブって言うようになったんですけど、本来の意味は「名士」とか「重要人物」とか。そういう意味なんですけどね。

 

ただ、言葉の使い方によると思うんですよね。別に言葉自体に罪があるわけじゃないんです。だけど、そのセレブという言葉を好んで使うメディアの姿勢が問題です。自分たちで、勝手に差別をつけてるんですね。

 

「セレブ御用達」とか「セレブ風ファッション」とか「セレブ婚」とか。セレブ、セレブって言って、「お前たち平民とか庶民は、高嶺の花で、仰ぎ見るべき存在で、偉い人たちなんだよ」って。それで(そういうことを)言われる安っぽい芸能人たちも、「私たちはセレブよ。セレブよ」って。単なる田舎者なんですよ。卑しい!ですから、それでセレブ、セレブと持ち上げられる方も、洗練されてない田舎者ですよね。

 

ですから私は六本木にウロウロして、上品ぶって、お金持ちぶって、六本木で遊んで、銀座で遊んでという風に、鼻持ちならない金持ちぶったエリートぶった連中は、これは一番みっともない人種ですね。

 

本当のセレブとは?

それよりもうんと貧乏で、そこら辺の工事現場で働いているような人たち、真っ黒になってね。まぁ、その人たちが一番輝いていて、上等な人種に見えますよ。

 

私、東京に出てまいりましたのは終戦後すぐだったんですけど、昔の皇族の方とか、華族の方とか、貴族の方とかいろいろいらっしゃいましたよ。みんな平民になりまして、もう華族も貴族も廃止になりまして、平民になった方たちもたくさんいらして、三島由紀夫さんなんかがそういったかたたちを題材にして書いてらっしゃいましたけど。

 

その中でもエリート意識丸出しで、「平民どもは…」みたいに実際に口で言ったりとか、「自分たちとは同じ扱いをしないでくれ!」って言ったり。そういう気根の卑しい人。これはセレブでも何でもないですね。

 

だから「氏より育ち」とも言いますけど、いくらうちが先祖代々大名の出であるとか、大金持ちであるとか、豪族の出であるとか、そんなことを言ってても、育ち方が卑しければ、本当に品性が卑しくて、自己反省って言うのはさらさらだし、謙虚の欠片も無い。こういうものがいるんですね。

 

やっぱり「氏より育ち」が大事!

それで本当のセレブは、先祖を2,3代たどれば商家であったり、農家の方であったり、だけどなんてこの人はセレブなんだろうって、謙虚で、思いやりがあって、奥ゆかしくて、とにかく人の悪口は決しておっしゃらないし。特別扱いすると、お気を使いにならないでくださいって言って、小さくなってらして。どんなとこへ行っても、掃除のおばさんやいろんな人たちにも頭を下げて、教養百般に渡ってそれをひけらかさない。そういう人が本物のセレブなんですね。本当に「氏より育ち」です。

 

ですから、人間の本当の価値って言うのは「氏」ではないんです。それから階級、資産、地位とか名誉とか、そういうものは一切関係がないと思ってください。物質もそうです。ですからメディアか何かが「セレブ」と言ったら、あれは全部セレブじゃない人のことです。本当のセレブを知らないメディアがそういう言葉を使っている。そう思っていただきたいと思います。

 

TBSラジオ美輪明宏 薔薇色の日曜日」2012年放送分より

 

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