【美輪明宏】カズレーザーと言葉の乱れについて語る

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この記事は、テレビ朝日で2016年12月27日放送された「メイプルマナミの極めびと人生相談」の美輪さんとカズレーザーの対談をまとめた記事の第1回です。文頭の略称は美輪→美輪明宏、カズ→カズレーザー、安藤→安藤なつ、橋本→橋本マナミ、ナレ→ナレーションを表します。

カズ　すごいですね。（美輪さんって）実在したんですね

安藤　失礼だぞ、お前。

カズ　限りなく空想に近い方みたいな…。

美輪　よく言われます（笑）

カズ　よく言われるんですか（笑）

安藤　（美輪さんを見て）カズレーザーに見えてきちゃいますね

カズ　色合いがね。

橋本　だって赤に金髪って一緒ですよね。

美輪　ここの病院に来るのに、服が赤い者じゃないと入れないって言われたの。

カズ　そんなガセネタが広まってるんですか？（笑）

ナレ　歌手・俳優など第一線で活躍中。一方江戸川乱歩や三島由紀夫など数多くの華麗な交友関係を持ち、その深い見識から人気を集める身の上相談はキャリア50年以上。極め人ファイルナンバー１。人間を熟知する天才、美輪明宏。

美輪　カズレーザーさんのことはクイズ番組で拝見してて感心してたんですよ。「あっ、こういう世の中になりつつあるんだ」って。「知識がお金を生み出す」って、そういう時代になってる。だってカズレーザー様は同志社大学を出てる。それと私は凄く勇気があると思ったのは、ああいう公の場所で「僕はバイセクシャルですよ」って言って。

カズ　まぁ、僕もホントはコレ（バイセクシャル）がこんなに受け入れられるとは思っていなかったんですけど…。総スカン喰らうと思ってたんですけど、まさか…

美輪　えぇ、だからね、なかなか勇気もおありになるなぁと。そういうことで見てました。

美輪　身の上相談を50年以上やっているのね。ラジオやテレビや雑誌や、今でもケータイでやってますしね。だから悩みを受ける側なんですけども、悩み苦しみ痛みを持っていない人はこの世に存在しないんですよ。います？

カズ　ほう。

美輪　ですから、こちらの看護婦さんに聞いても何か（悩みを）持ってますよ。例えばイボ痔だとか切れ痔の人もいるだろうし（笑）

安藤　いらっしゃるならお手をあげていただいて…

橋本　（笑）

美輪　だから何か悩みを持ってるはずなんですよ。

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安藤　でもそんな中、美輪さんはお悩みが…

カズ　ちょっと伺った情報によりますと、世の言葉遣いが乱れている、と。

言葉疲れの乱れが世界をダメにする

美輪　シェイクスピアの『ハムレット』の中にも「言葉、言葉、言葉…それが問題」ってあるように、世の中って言葉で形成されてるんですよ。家の中のコミュニケートも、そして愛を支えてるのも言葉。何から何まで全部言葉でこの世の中は成立しているわけでしょう？終戦後くらいまでは、家庭内で丁寧語、謙譲語、敬語だとかそういうものを使っていたんですよ。そして昔は君子の君っていう尊敬語を使ってたの。

橋本　へぇー

美輪　それから「やっといてくれ給え」って「給え」ですよ。ちゃんとしててんですよ。だから背筋がきちんと伸びて、人と人との距離がとっても良い距離を保っていられたわけ。

カズ　なるほど

美輪　今は…、この間のテレビちょっと見ててもそうだけど、お母さんに注意されたら、「ウゼェんだよ！ババァ」で「何言ってんだ…このクソガキは」ってお母さんもそうでしょ？「あの映画見た？カッケェ」「マジカッケェ！！」

カズ　恥ずかしいですよ。我々使ってますねぇ。お恥ずかしい。

美輪　「マジ」ならまだいいの。「マジェ」

カズ　そこまで巻き舌の方いますか？（笑）

美輪　「マジェ」よ！（笑）

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美輪　タメ口で乱暴な言葉使ってると、その人自身の品性もそうなるし、友達の選び方からお付き合いから、そのレベルになるわけでしょ。だから言葉に即した世の中になるわけじゃないですか。

カズ　そうですね。文明を形作るのは言葉だと思うので、言葉が世相を表していると僕も思います。美輪さんは悩みが自分のことではない、何かこの社会に対する…

美輪　憂いだらけじゃありませんか