【美輪明宏】江原啓之と「女の幸せ」について語る
この記事は2011年10月9日にTBS系列で放送されたテレビ番組『ホンネ日和』の対談について書かれた第3回目の記事です。第2回の記事は次のリンクからどうぞ。
【美輪明宏】江原啓之「絶対に揺るがない信念はどうやったらできるのか?」について聞く - 美輪明宏ラジオの名言
美輪は美輪明宏、江原は江原啓之、ナレはナレーションを表しています。
ナレ ここで江原さんが美輪さんにどうしても食べてもらいたいお気に入りのお菓子を差し入れ。
江原 私、見かけによらず甘いものが好きで…
美輪 いや、見かけによりますよ
江原 そうそうそう。揚げ饅頭。御門屋さんのね。
美輪 あぁそうですか。私も甘いものは大好きなんですよ。ではいただきますね。
美輪 うまっ。最近みんな「い」が無いのよね。
江原 そうなんです。
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美輪 「うま」とかさ「あつ」とかさ
江原 ね
美輪 「い」ぐらい節約しなくっていいだろうに。
江原 あれはね。「傷付きたくない」っていうやつみたいです。
美輪 え?
江原 あのね。「さむっ」っていうのは「寒いですよね?」っていうと「いいえ」って言われると辛いから、自分の中で独り言のように、つぶやきですよね。ツイート。
美輪 うん
江原 それで同感するようだと「うん、寒っ寒っ」って言ってくれる。だけども否定されるのが今の人は怖いらしい。でも、きっと美輪さんにしてみたらごく普通のことだと思うんですけど、たぶんテレビをご覧になっている方には、美輪さんと饅頭ってすごく違和感あると思う。
美輪 あ、そうですか?私、茶まんじゅうとか酒まんじゅうとか、ああいう野趣あふれるものが好きなの。大好きなのは黄色いカレーライス。日本の昔ながらのね。
江原 美輪さんがカレーライス食べてるってあんまり想像してないでしょうね。
美輪 私大好きなの。戦争前は華やかな時代だから、家は料亭だったでしょう?贅沢なものばかり食べてたでしょう?それで戦時中何もなくなって。東京出てきて今度はホームレスやってたでしょう?
江原 ねぇ
美輪 家が破産して。新宿駅に住んでたんですもの。その時は何も食べるものが無くて、3日ぐらい食べないなんて当たり前で。水ばっかりなんて当たり前だったし。だから食べ物に対しては欲望が無いんですよ。あれば何でも頂くし。あなたは別の意味で何でも召し上がるのね?
江原 それを体のせいにしてます。体が今日欲してるんだと。
美輪 (笑)
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結婚と「女の幸せ」
ナレ ここで江原さんは最近相談に来る女性の傾向について語り出しました。そこから「女の幸せ」についての熱い談議が幕を開けたのです。
江原 でもみんな努力するのが嫌だから結婚とかでもそう。アレ不思議ですよね。何度言ったら分かるんだろうかと思うんですけど。「私、結婚出来ますか?」って言う人がいて「すればいいでしょ!!」って言うんですよ。
美輪 (笑)
江原 何かこう、自然とそうなることを待ってるんです。棚ぼたみたいに。
ナレ そんな今の女性の結婚観に美輪さんが厳しく物申します。
美輪 「ありのままの生まれたままの私を受け入れてくれる人」って言うからさ「図々しいわね」って。畑から抜いたばかりの大根を。泥だらけの大根を「食え!食え!」って言ってるのと同じでしょう?
美輪 こんなに大きな幸せを期待して結婚すると困るっていうのよ。昔と逆なのよ。昔はね、結婚イコール人生の墓場だって思っていて、そういう言葉があったでしょう?
江原 ありましたね
美輪 というのは覚悟してたのよ。嫁に行く前にね。舅・姑の下の世話をするのは嫁の務め。うちが破産したり、亭主が病気になったら、お前が大黒柱になって働きなさい。何から何まで悪いことは全部言われてたわけ。だからね漫然にそれを乗り越えることが出来たのよ。ところが今は、もうとにかく、「あなたのお側で私は編み物をしてて、あなたは暖炉のそばで、あなた、あなた、あなた…」なんて。それで今日は2人で新婚旅行に行って、なんて。そんなの単なるイベントよ。そうでしょう?花嫁衣裳なんてあんなの仮装大会なんですよ。
江原 仮装大会(笑)
美輪 そうでしょ?だからそういう思いでやれば、離婚も無いし。子供が片親になって悲しんだりグレたりすることも無いのよ。だから結婚イコール幸せと思っちゃダメよね。
江原 今たぶんね、かなり多くの人が涙を流して聞いていらっしゃる気がします。
美輪 後悔してね(笑)
(第4回につづく)
『ホンネ日和』2011年10月9日放送分より
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