【美輪明宏】昔のクリスマスは今とは逆に値段が高かった
さて、今週はクリスマスですね。ジングルベル、ジングルベル~♪ってみなさんご存じでしょう?
それにしても、まぁ今は良い世の中になりましたねぇ。だって各家庭でイルミネーションをつけたり、プレゼントをしたり、クリスマスセールで街はにぎわってますから。
昔は正反対だったんですよ。というのは、デパートでも喫茶店でもだいたいクリスマス値段って言いまして、10倍くらいになるところがあったんですよ。一杯40円くらいのコーヒーが150円くらいになったりするんですよ。ですから、その日はうっかり喫茶店にも入れない。まぁ当時は酷かったですね。
キャバレーだけはウハウハでしたね。お客さんにいろんな格好させたり、でもクリスマス値段で、酷いところは10倍くらいぼられてましたね。今はそんなこと無くなって本当にいい世の中になったと思いますけどね。
このジングル・ベルという曲は、ジェームス・ピアポンドっていう牧師さんがお作りになった曲で、1857年の作曲ですね。信者さんを集めて自分の教会で歌うために曲を書いたところ、これが世界に広がっていきまして、やがて定番のクリスマスソングになったんですね。
レコードなんかも大歌手であるビンク・クロスビー。この方は映画にもずいぶん出てまして『珍道中』シリーズって言うのがありまして、そのほかにフランク・シナトラという大歌手。女の人からはずいぶん好かれて、男の人からはずいぶんやきもち焼かれた人で、そのフランク・シナトラなんかもカバーしてましたね。
この曲の魅力は明るくて楽しくて、まさに雪の中をそりに乗ったサンタクロースを運んでくる。鈴を鳴らしながら遠くからきて、過ぎ去っていく。そういう風景を思い浮かべるような詩や曲でございます。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年
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