【美輪明宏】クールジャパンで喜ぶのは田舎者と語る
最近では、国が主導してクールジャパンを世界に発信するために、安倍首相含めていろいろパフォーマンスをしていますね。一方、テレビ局などでも、国内向けですが、日本の素晴らしさを外国人の視点で再発見するようなテレビ番組が作られていて、それなりに受け入れられているみたいです。
では美輪さんはこうした流れに対して、どのように考えているのでしょうか?
(以下書き起こし)
「Youは何しに日本へ?」ような番組について
今日はクールジャパンについて、お話させていただきたいと思います。
テレビでよくやっていますね。外国人の人を集めて、日本のどこがクールかってことをいちいち説明させるような番組。外国人がよく来る浅草とかに行って、「あなたはなぜ日本にきたんですか?」「日本の良いところは?「クールなところはどこですか?」っていろいろ聞いてますでしょう?
それはそれで、企業として日本の産業を活性化させるために、こっちの分野を伸ばしていくとか、そういうデータを調べるってことで聞いていくんだったら結構だと思いますよね。そういうふうに下調べをするってことは、情報を集めて、製品を作って、産業を活性化するってことには大賛成ですけどね。
ただ、世界に対して知的な国ってことをアピールしたいとか、先進国に対するコンプレックスで「日本の良いところは?」「クールジャパン!クールジャパン!」って言うのは、さもしいですね。
以下にも田舎っぺという感じで、本当に先進国のプライドを持ってて、洗練された人は、そんなこといちいち聞きませんよ。クールなのが当たり前だと思ってるから。いちいち反応をうかがって「クールジャパン!カッコイイ!って褒められた」って喜んでる。それは田舎ものの根性であって、そういうさもしい聞き方はやめた方が良いですね。あれは見てて一番不愉快になりますね。日本人ならもっとプライドを持て!って言いたくなりますよね。
日本だけの均一なサービス
サービスが良いのは、日本は異常なくらいにサービスが良いんですね。世界のサービスっていうのは、貴族や上流階級に人に対してはものすごくサービスが良いんですよ。でもそうじゃない人たちには、全く振り向きもしないし、乱暴な扱い勝たされますからね。
そういったところが外国と日本との違いですよね。日本はお客様であれば、たとえ相手が貧しい人であろうと、上流階級であろうと、デパートやなんかでもどこでもそうですね。みんな均一に頭を下げるし、均一に商品説明もするし、丁寧でしょう。
それでコンビニにしても味から、材料の選び方から、製品のつくり方から、常に研究して研究して、よりグレードを上げようと努力してるのが、日進月歩で分かりますでしょう。このサービスは素晴らしいと思います。デパートの食堂行っても、カツ丼があって、ラーメンがあって、お寿司があって、コークがあって、おしるこがあって、とにかく何でもかんでもあるわけでしょう。こんな国なって、他にどこにもありませんよ。
だから日本で生まれて育って本当に良かったなぁと思いますよね。こういうつもりで外国に行くと、そういうちゃんとしたサービスが無いですからね。
ただうぬぼれない方がいいんだという、田舎者が褒められるとすぐにうぬぼれるでしょう?ですから、おもてなしっていうのにしても、日本独自のモノではないですから、そこは謙虚にしていた方が良いですよね。
TBSラジオ『薔薇色の日曜日』 2015年2月8日放送分より
まとめ
美輪さんは、外国人に過剰に日本人を褒めさせるような演出の番組は醜い、という意見のようですね。そして、それを真に受けて、うぬぼれるような人は「田舎もの」だと、指摘しています。そういう番組は結構見かけますね。でもそれは、自分たちに自信がないことの表れだとのことです。
ただ一方で、日本のサービスについては褒めてらっしゃいます。外国の店員は、客の地位によって態度を変えるとのことなので、そういう点では確かに日本の均一なサービスは素晴らしいですね。
ですから、日本には確かに外国に対して誇れる部分はありますが、それを外国人に言わせるようなやり方はやめて、謙虚な態度を貫いた方が良いような気がしますね。それが、もしかしたら外国から尊敬されるための最適な手段なのかもしれません。
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