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【美輪明宏】自由と放埓(ほうらつ)の違い

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さて今日は自由について、お話させていただきます。表現の自由、思想の自由、恋愛の自由。まぁとにかく自由っていうものは結構なものでございますね。

 

今の方たちにとって自由というのは当たり前になっておりますですね。ですが、昔は自由が無くて窮屈な時代があって、わたくしは今年で79歳になりますけど、戦前、戦中、戦後と知ってますから、黒い時代、真っ黒けの時代と、その前の中間の時代、灰色の時代。そういうものを知ってますでしょう。そうすると、今の白さがいかに真っ白いかが分かるんですね。

 

 

ただし気を付けなければいけないのは、自由と放埓(ほうらつ)は違うということですね。どう違うかと言いますと、自由というのは責任を持つということなんですよ。やりたい放題好きなように何もかも自由にできる。結婚するのもしないのも自由、恋愛するのもしないのも自由、そういう思想を持とうが全部自由。ただし責任は全部あなたにありますから、責任は取ってもらいます、って言われた時に、私は自由を得た代わりに責任は自分で取ります。じれが自由なんですね。

 

だけど、責任は取りたくない。なんで私が責任とらなきゃいけないのよ。私はやりたい放題やるのよ。他人の迷惑なんかどうでもいいのよ。これはただの、馬鹿だ野獣だって言って、放埓って言うんですね。自由とは違います。そこのところを勘違いしないようにしたいと思いますね。

 

戦争前っていうのは、戦争中は特にひどかったですけど、若い人はびっくりなさるでしょう。だって髪型も男はだいたい丸坊主か、国民服なんですよ。それ以外のものを着てて、背広で七三に分けて、きちっとした格好してたら、「なんだ!こんなちゃらちゃらした格好しやがって」って言われて。バイオリン弾いてたら「男がバイオリン弾いてるだと!銃を持て!」って、バイオリンを叩き折られるんですよ。

 

バイオリンって言葉は外国語で適正用語だっていうから「バイオリンをどうやって日本語で言うんですか」って聞いたら、例えば「ひょうたん型糸こすり器」こういうふうに言え、って。馬鹿でしょう?

 

そうやって思想から言葉から何から全部締め付けたんですよね。日本の軍国主義って言うのが、以下に無知蒙昧で、知力にかけてたかっていうことですね。人の自由という自由を全て縛り上げた。何の権利も無いのに。ただ無知無学だったんですよ。自由民主主義を考えているだけで、殴り殺されちゃうんです。

 

とにかく軍国主義がまた日本で台頭してきてますから。

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2014年6月8日放送分

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