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【美輪明宏】人を動かす難しさについて語る

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今日は人を動かすことの難しさについてお話させていただきたいと思います。

 

私は舞台で、昔ですけれど、演出やってましたでしょ。で、制作もちょっと絡んでましたね。そしれ裏方さんたち、役者さんたちですね。そして役者さんも主な役者さんのほかに仕出しの人とか、脇役の人とか、通行人みたいな方とか。そういった方を全部数えると80人ぐらいの人をまとめて動かさないといけない状態になりますでしょう。

 

 

最初慣れるまではストレスで、役者さんたちはそれぞれ出身も違うし、腕も違うし、才能も違うし、理解力も違いますしね。それを動かして同じレベルに持っていくまでには、一挙手一投足全部教えていかなきゃいけないんです。

 

わたくし美術や照明プランもやってますんで、どこから何番の光を当ててってことを演出しながらも役者さんたちを見るんですね。その役者が演じている人間の、つまり役柄の生い立ちとかも同時に計算しながら、演出していくんですね。

 

前を見ていながら、後ろにも目をつけてる状態になんなきゃいけないですからね。で、音がちょっとでもずれると、芝居にならない場合もあります。音響の方も担当してますんで、それも気をつけなきゃいけない。

 

それがひいてはストレスになりますんで、タバコを吸ってたんですね。しまいにはエスカレートして一日に100本くらい吸ってたんですね。それで肺の炎症起こして、咳が止まらなくなりまして、それでとにかくある方法でタバコをやめられたんですけどね。

 

とにかく人を動かすうえで一番いけないのは感情的になることですね。これが一番、何事でも邪魔になりますね。ですからイライラするのを、客観的に心理的な感情を分析して、水をかけて冷やして、冷静に物事を処していって発言する。そうすると周りに人たちは、この人は今に怒るだろう、怒るだろうって思われていうような場合、ただ静かにしゃべると舐められちゃうんですね。だから厳しい言葉は言いますけど、ため口で汚い言葉で「何やってんだ!」みたいなことは言いませんね。軍国主義じゃありませんので。同じことは二度と言わせないでくださいねってことは言いますけどね。

 

だから冷たいようですけど、冷静に言った方が効くんですよね。向こうも変に落ち込んだり、カッとなったりしないで済みますからね。とにかく上に立つものは、あまり下に降りすぎてもいけない、威張りすぎてもいけない。つまり機械のように冷静沈着でいるべきですよね。いかなる場合も冷静沈着。これが一番の帝王学だと思いますね。

 二次会、三次会は禁物

それでサラリーマンの方もよく言うのは、飲み会って言うのが一番良くないんですよ。打ち上げって言うのはわたくし全くやりませんから。一次会だけは義理があるから行かなきゃいけないけれども、二次会、三次会は絶対行きなさんなって言ってるんですよね。

 

それでないと、お酒が回るとペロッとたった一言で、あいつこういう奴だったんだ、本音はこうだったんだって思われるんですよ。邪推する人もいますし。そこからどんどん尾ひれがついてって、言わないことまで言ったようになっちゃいまして、そして今度は失職したり、対人関係がうまくいかなくなって、よそへ出向っていう形になっちゃったり。そういうものをいっぱい見てきましたからね。ですから、なるべくお酒の席はお付き合いで、最初だけにしといたほうが良いと思いますよ。

 

あとは誰もいないとこで、浴びるほど飲んだくれればいいわけでして、人様がいる前ではなるべく正体を現さない方が、無事だと思いますね。

 

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2013年放送分

 

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