【美輪明宏】映画『追憶』のオファーを受けた理由について語る
今日は先日もお話をさせていただきました、わたくしがナレーションを担当した映画でございまして『追憶』というタイトルの映画についてお話させていただきたいと思います。
現在は東京都恵比寿の東京都写真美術館で上映中でございます。そして昨日から大阪と名古屋でも上映が始まったんでございますよ。
映画『追憶』は太平洋戦争の激戦地だったパラオ共和国のペリリュー島という島を舞台にしたドキュメンタリー映画でございます。映画のオファーを受けた理由としては、わたくしたちみたいに戦争体験者というのは、思い出すと、腹が立つやらお腹が煮えくり返るみたいだし、涙は出てくるし、だからなるべく体に良くないからと思って、思い出したくも無いし、言いたくもない。
だからみなさん口を閉じていらっしゃるということ、よくわかりますね。私もそうでした。めったなことでは協力しないんですけども、もうそろそろわたくしも、若い人たちや30歳、40歳の人たちでも戦争の悲惨さをご存じないんで、自衛隊の人たちを軽くよその国をいざとなったら助けに行きますなんて、政府の連中が昔の戦争中の参謀本部の馬鹿どもみたいなそういう言い方をしてるんで、わたくし、あぁ可哀そうだな、と。
ですから、わたくしは、これはなるべく戦争というものは悲惨なものだということを、一人でも多くの方に、知っていただいて、そんなかっこいいものじゃありませんよということを申し上げたくてお引き受けしたんですね。
映画『追憶』についてはこの後もお話させていただきます。
TBSラジオ『美輪明宏 薔薇色の日曜日』2016年11月27日より
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