【美輪明宏】文化は正統派が一番良い、と高見沢俊彦に語る
この記事は2016年8月7日放送されたTBSラジオ「高見沢俊彦のロックばん」での高見沢俊彦さんと美輪明宏さんの対談を書き起こした記事の第7回です。第6回の記事は次のリンクから読めます。
【美輪明宏】メロディの無い現代の音楽について、高見沢俊彦と語る
美輪 最近はやっぱりツイッターソングと言われてますけどね。詞が全部ツイッターだっていうのね。
高見 あー、言葉がですね
美輪 ポエムじゃないんですね。
高見 詩ではないってことですね。
美輪 詩ではなくて、ツイッターの呟きで。それで曲のリズムが2ビート、4ビート、8ビート。それだけになっちゃったの。
高見 なるほど。
美輪 昔みたいにワルツ、タンゴ、ハバネラ、マンボ、ルンバ、ビギン…
高見 そういったものは無くなりましたね、確かに。
美輪 リズムが全部同じになっちゃったの。
高見 あー、リズムはそうですね。
美輪 だから音楽業界が、まったくモノクロになっちゃったわけね。それで着るものが全部モノクロになってた。黒とグレーだけだったでしょ?
高見 すみません。僕、グレー来てますね。
美輪 でも、あなたはキンキラキンだから。
高見 (笑)光物つけると…
美輪 それで行ってこいですよ。だけどサラリーマンの服も、カバンも靴も全部黒でしょ?
高見 ダークですね。
美輪 車がそうでしょ。テレビやなんか、オーディオ関係がそうでしょ?色彩が無くなっちゃってるの。それを言ってたのが、最近、若い子たちがファッションデザイナーでカラフルなものを作り出したわけ。だからイタリアやいろんなところからデザインを盗みに来てるじゃないですか。原宿や…
高見 そうですね。日本のファッションがかわいいファッションということで…
美輪 カワイイ・ガールズ。コレクション!だから優秀になってきたわけ。最近は男もあれが出てきたじゃないですか?ハニカミ王子、ハンカチ王子。
高見 はいはい。
美輪 オーソドックスな、正統派が出てきたの。錦織君だとか、羽生君だとか。浅田真央ちゃんとかね。俳優さんも斎藤工君だとかね。向井理君だとか、正統派の昔風な。それでヘアスタイルもポマードで七三に分けたのとか、オールバックだとかがちらほら出てきた。
高見 ほう。
美輪 だから正統派に戻りつつある。今は過渡期ね。
高見 過渡期ですか。
美輪 だから政治経済だとかが一番遅れて。ここのところのオリンピックの競技場の話だとか。アレは現代とは思えないじゃない?だって清水次郎長の、江戸時代の話じゃないの。どこの後進国の話?って感じでしょ。だからズレまくってるの、あのおっちゃんたちは。
高見 あのおっちゃんたちは(笑)
美輪 そう、現代に生きてないのよ。だから本当に恥ずかしい。
高見 そうですね。
美輪 若い人で…
高見 変えてかなきゃダメですね。
美輪 若い人たちの中に優秀なのが出てきてる。
高見 それはでも希望の星でもありますよね。
美輪 そうそう。二極化してるんですよ。
高見 メロディを大事にするということも含めて、文化も正統派が良いということですよね。
美輪 それが日本の一番進むべき道だし。だから武力戦争の時代は終わったのよ、もう。これからは情報戦争と経済戦争、文化戦争の時代に突入してるわけ。
高見 文化を高めないといけないわけですよね。日本の文化も含めて。
美輪 知的なものをね。
高見 あー、そうですね。
美輪 人格的に立派な人間に、国自体がなれば良いのよ。
高見 なるほど。
美輪 ものづくりや何かの素晴らしい職人さんたちもたくさんいらっしゃるでしょう?
高見 そうですね。
美輪 歌だってEXILEのATSUSHIくんが中国ですごい人気だし、谷村君にしてもそうだし。高倉健にしても神様みたいにあがめられてるでしょう?
高見 そうですね。
美輪 文化の面ではうまく行ってるの、経済的にも。
高見 なるほど。そこのやっぱり見逃してますね、僕らは。
美輪 繋げれば良いのよ、点を。
高見 そこですね。
美輪 点として散らばっているものを、線で繋いでみれば形がはっきりと浮き上がってくる。日本の立ち位置が、すべてにおいて。
高見 何か最後は凄く高尚な話になって
美輪 こんなのは普段の世間話で。
高見 この番組にしては、物凄い…
美輪 そうとう酷い番組だったのね。
高見 (笑)
(第8回につづく)