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【美輪明宏】引退後の大女優、原節子にばったり会ったエピソードを語る

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今日は昨年亡くなられました大女優、原節子さんについてお話させていただこうと思います。私も。以前映画でご一緒させていただいたんですけども。

 

 

『女であること』という1958年に公開された映画のタイトルの部分。それを私が歌って、映画の中では原さんと絡むところが無かったんで、ちょうど東宝の撮影所へ行きまして、食堂の前のところに広場があって、なんと、そこで原節子さんがズボン姿で、スタッフとふざけながらキャッチボールやってらしたの。

 

それまで原節子さんって言ったら、はんなりとしてて、しとやかで控え目で、ふわーっと白いバラが咲いているようなそういう感じがしましたでしょう。やわらかくて物言いも優しくて上品で。

 

ところが「原さん、紹介します」っていうふうに私紹介されたんですよ。そのときに「あっそ。じゃぁ、よろしく」って。ものすごく闊達でさっぱりしてて、今の流行の言葉で言うと男前っていうんでしょうかね?そういう感じの方だったんで、私びっくりして、あぁ随分イメージと違う。そう思ってましてね。

 引退後にばったりと…

その後ずいぶん経って、原さんは引退なさった後だったんですけど、所用があって、鎌倉の駅前の交差点のところで、「さすが鎌倉。洒落た人がいるなぁ」って思ったんですよね。ジーンズで作ったズボンとジャンパーを着ておられて、帽子もジーンズで作った帽子だったんですね。ふっと私の視線に気づかれたんでしょう。その後振り返られたら、原さんだったの。

 

それで私が「あぁ原さん!」って全部言わない間に、向こうが、「ああ、丸…」って言いかけてパッと下向いて、帽子のひさしを下に引っ張って、小走りにスーッと走って行かれたの。あとで人に聞いたら、誰にも会わないで、会うのが嫌で、お会いにならない方だったから、昔の知り合いというのを全部避けてらっしゃるから。確か全部お話しなさるのは司洋子さんぐらいだって言うのは聞いてました。

 

そういう話を聞いて「じゃあ、声かけて悪かったなぁ」と思ったの。まだ引退なさるにはもったいないくらいおきれいでしたよ。全くの素顔でしたけどね。まぁそれぐらいですね。

 

原節子さんの魅力って言うのは、日本のグレダ・ガルボって言われて、ハリウッドの大女優。この方も引退して誰にも会わないで、ひっそりと暮らしていたという方ですね。だからグレダ・ガルボの生き方をそっくり踏襲なさったんじゃないかなぁと、わたくしは思いました。

 

TBSラジオ『薔薇色の日曜日』2016年2月7日

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