【美輪明宏】最近のファッションの進化について語る
もう春ですね。
春眠暁を覚えず。いくら寝ても寝ても寝足りないという。若い頃はいくらでも眠れるんですよね。中年になりまして、そこまで眠れなくなったりして。老年になりますとウトウトと年中眠いんです。
わたくしは全部経験しておりますんですけど。今は青春のいくら寝ても寝足りない。そういう頃になってるんでございますよ。「へへっ、どうだかね」っておっしゃってるそこの方。意地悪ですよ。意地悪はいけません。いじめです。なんて脅かしました。
派手から地味へ
さてファッション雑誌でも春のオシャレ特集はよく見かけますね。でも不思議なんですよね。それこそオシャレや何かに余裕がなかった頃に、経済復興ということで汗水垂らして働いて働いて、バブルになって。ところが、それがすぎてギンギラギンのオシャレがなくなって地味になったんですよね、不景気らしく。
最近は、お年寄りも若い方もすごいオシャレが上手になったんですね。そしてまたファッションモデルみたいな女優さんとか一般のお嬢さんとか、もうどれがどの人だかわかんないぐらいに似たようなカッコイイ人がいっぱいでてきて、また俳優さんもそういう俳優さんがいっぱい出てきてますでしょ?
スタイルが良くて顔が良くて。ディーン藤岡ですか?あの人に似たようなタイプの人が
クローン人間みたいにいっぱい出てきたんですよね。で、みんなオシャレでしょ?もう何も私はおしゃれについていろいろ言うことないし。
テレビを見るとアドバイザーなるものが出てきて「ここはこうしたほうがいい」とか「じゃあ新しくしましょう」とか言うんですけど、(ファッションを)変えていじられなかった前のほうが良いねなんて。そういうんで、ファッションアドバイザーの方がよっぽど野暮ったい遅れている人が多いんですよね。
メイクアップアーティストなる人も出てきちゃってね本当にもう下手な絵を描いているような幼稚園の生徒が描いたようなメイクアップにさせられたり。
まあとにかく玉石混交の世の中ですね。そのうちに本当に良くなるんじゃないでしょうか。