美輪明宏ラジオの名言

美輪明宏の発言まとめ

【美輪明宏】ファドの女王、アマリア・ロドリゲスについて語る

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今日はお若い方はご存じないでしょうね。ポルトガルの国民的歌い手でございまして、日本で申しますと、かつての(美空)ひばりちゃんみたいなもんですかねぇ。アマリア・ロドリゲスっていう歌い手さんがいまして、歌うのは民謡なんですね。この方は1950年代に日本でも大変な人気で、よくあちこちでこの方のレコードが、街角で鳴り響いていた時期がございます。

 

今日はファドの女王。ファドというのはポルトガルの民謡でございます。アマリア・ロドリゲスっていう歌い手さんがいまして、日本にも1950年代何度も何度も見えてて、私は虎ノ門ホールで聞いただけじゃなくで、パリに何年前かに行ったときに「美輪さんアマリアのことお好きでしたよね?」って言うから「なんで?」ってきいたら、アマリアは今1年に1回しかコンサートを開かない。それもナイトクラブでやってるんですって。

 

「芸術家の頭」って言うのがアマリアの出てるナイトクラブの名前なんですけどね。「あなたは運がいいですね」って言うから「ぜひ行きたい」って答えたんです。

 

実際に行ってみたら「芸術家の頭」っていうのは小さなナイトクラブなんですよ。「へぇ!?どうやって彼女の高いギャラを、世界的に高いギャラを払うんだろう」と思っていたら、なるほど、私たちも大変なお値段を獲られました、

 

そうするとスライド式になったステージが横からスーッと滑るように出てくるんです。それで前座として出てくる手品師がものすごくきれいな青年なんですよ。彼がアラゴンの詩を吟じながら品を見せていくんです。「手の中から鳩が飛んでいく」って言ったら鳩を出すんですよね。それがとっても歌みたいに美しい詩の吟じ方をするんですよ。

 

彼がいなくなった後にすーっとスライドが出てきて、バンドの人も全部黒づくめなんですよ。アマリアも黒づくめで、たった一つ指輪だけが装飾品で、後は何も装飾品はつけてなくて、その指輪がなんと20カラットから25カラットぐらいあるようなすごい指輪でね。

 

そして例によってあごをあげて下目づかいで歌って、全然媚びないんですけどね。素晴らしい歌い手でしたね。今年で没後15年。もうずいぶん長生きなさったんです。

 

亡くなった時に、なんとボルトガルの国全体が3日間、国葬のように喪に服したって言うんですね。素晴らしい歌い手でした。

 

もしどこかでレコード・CDに出くわした場合はお求めになった聴いてみてください。私も大好きな歌い手です。

 

美輪明宏 薔薇色の日曜日』2014年2月23日放送分より

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