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美輪明宏ラジオの名言

美輪明宏の発言まとめ

【伊集院×美輪対談③】戦時中のアーティストが生き残る道について考える

政治 政治-戦争

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(伊集院)でもね、そういう時代(戦時中)の中で美意識を殺していく人っていっぱいいるじゃないですか。例えばおしゃれだとか、そういう美意識みたいなものを殺して生きていかないといけない中で、それを自分の心の中で保っていくのって大変じゃないですか?

(美輪)そうそう

 

(伊集院)だって美意識さえ無くなっちゃえば、暮らしやすいわけじゃないですか、逆に言えば。だけどこれを保っているが故に、私はもっときれいな髪形をしたいとか、世が世ならばちゃんとした格好したいって言う意識を持ち続けるのがキツいでしょう?

(美輪)だから東郷青児さんっていう二科会の大巨匠さんとか、みんな疎開しちゃって筆を折って、それで終戦後のその日に東京に戻ってきたんですって。

(伊集院)要するに頭の中に溜めて溜めて、目に留まらないように遠くに行きながら…

(美輪)そうそう、でないと戦争画を書けと言われるのよ

(伊集院)はぁー

(美輪)それで加藤まさをさんなんて抒情画、美人画の人は妥協しちゃって、食べていかなきゃいけないから、しょうがないから戦争画を協力して書いたのよ

(伊集院)ふんふん

(美輪)そうしたら、終戦後になったパージになっちゃったのよ

(伊集院)ハァ、お前は戦争に協力したってことで…

(美輪)そう、協力したってことでGHQに睨まれたわけ

(伊集院)僕は経験をしてないから、どのどっちが良いか分からないんです。僕らお笑いじゃないですか。お笑いってやっぱ人を笑わせる職業だから、お前戦争のコントを作れって言われた時に、俺どっちになるんだろうって思うんですよ。

(美輪)うん

(伊集院)俺はお笑いなんだから、それがニーズなんだったら戦争のコントを作るのか、もしくは、いわ、笑いってそういうもんじゃないって言って、僕は戦争中は一切面白いことは言いませんって言って、例えば疎開してためてるのか。どっちなんだろう。生き方として正しいのは、と

(美輪)いや、正しいことってそれは、やっぱり個人によるわね

(伊集院)なるほど、なんにも持たないで流されるんじゃなければ、その人個人のやり方って言うか…

(美輪)例えば、大杉栄幸徳秋水みたいに、社会主義者、民主主義者、自由主義者はみんな殺されたんだから。ね、殺されちゃったのよ。そういう思想を持っているってだけで

(伊集院)うわー難しい。俺らそういうこと考えないから。ある意味考えるのが嫌でこういう商売やっているようなところもあるんですけど、いざなってた時にみんなどうしてたんだろうと思うわけですね。例えば僕、落語の世界に最初、入ってたんで、落語も戦時中は落語をしゃべることで腕を鈍らせないようにして生き延びた人もいれば、頑なに禁演落語をやり続けて投獄された人もいるじゃないですか。そういうことに本来なら一番遠いはずじゃないですか。アーティストとか娯楽産業の人って。でも否が応でも晒されるわけですよね、否が応でもその中を生きるわけですよね

(美輪)だから私はそれが幼心にずっとくぐもってたわけよ

(伊集院)はいはい

TBSラジオ伊集院光 日曜日の秘密基地「秘密基地VIPルーム」』2005年3月20日放送

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